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6月のシネラは近年話題となったアジア映画特集です。今日は「ラサへの歩き方 祈りの2400km」という映画をみました。ほとんど事前知識ゼロで観ましたが、これは凄い。これは、映画として傑作だ。
セミ・ドキュメンタリー的に作られた映画のようですが、チベットの端の小さな村から、村民11名が「五体投地」しながら1200キロはなれたラサへ巡礼にでるというのです。その後、さらに冬の高山カイラス山へこれまた五体投地しながら巡礼するという途方もないストーリーなのです。途中で、陣痛が始まって赤ちゃんが生まれたり、自動車事故にあったり、トラクターを人力で押して峠を超えたり、さらには長老がカイラス山ふもとで亡くなったり。この波瀾万丈の物語が、全然ドラマチックにではなく、じつに淡々と、じつに平穏に、じつに静かに平和に描かれている。女性たちが5人も巡礼に参加していて、最年少の女の子は小学生だ。この子が、じつにステキですね。ふつうは「千と千尋」のごとく、この年齢の女の子はこのセカイへの不平・不満でいっぱいで、本格的な反抗期ではないのですが、ぶうたれているのが普通なのに。この子は、その対極です。じつに素直、じつに平和、じつに楽しそうにのびのびと五体投地している。おそらく映画的なフィクションなんでしょうが、この子が登場したことが、この映画の成功の半ば以上をにぎっていると言って過言ではありますまい。この子には、魅了されてしまいますね。
あとで調べたら、全世界的にヒットした映画のようですが、これは素直にすごい。「ロード・ムービーの傑作」だそうです。言われてみれば、これこそ「ロード・ムービー」ですね。

*この映画のホームページはこちらhttp://www.moviola.jp/lhasa/


学期末です。入試も始まりました。授業もあとは補講を残すのみです。年度末には様々な締めくくりの行事がめじろおしです。先日は、九州大学社会学出身の益田仁さん(現在、長崎国際大学講師)の博士論文公聴会が開催されました。たくさんの人たちが聴きにきてくれました。こうやって社会学の卒業生から新しい博士(人間環境学)が誕生していくのを見るのはうれしいものです。


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昨日で、九州大学伊都キャンパスでの「社会学入門」15回の講義が終了しました。今学期は、約150名の学生全員が、文学部以外の他学部(法学部、経済学部、教育学部、歯学部、医学部保健学、農学部、工学部、芸術工学部…)という一種「アウェイ」状況の中での社会学入門となりました。でも「ゴジラ」「ナウシカ」「東京物語」「おくりびと」「あまちゃん」などを題材して、現代の世界と日本と家族と「地元」で起こっている問題を考える、という構成にしたせいかどうか、反響はなかなか良くて、感想文もきわめて高水準のものを書いてくれて驚かされました(毎回、出席票として授業の感想文を書いてもらっていました)。こうなると、毎回の授業がとても楽しく、15回はあっというまでした。もっともっと話し続けたいという気持ちになりました。20年近く、九州大学で教えてきましたが、こういうことは、とても希なことです。


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新キャンパスの巨大な椎木講堂


 

地方消滅、若者流出と騒ぐわりに「若者メセンでの地元定住政策」がないのでは、ということで安立ゼミでは、昨年から柳川に何度もでかけてフィールドワークを行ってきました。昨日は今年度の締めくくりとして「大学生と高校生がいっしょに地元を考えるワークショップ」を行いました。地元の進学校・伝習館高校生と九州大学などの学生がグループワークしました。最初は固い雰囲気でしたが、やがて打ち解けてどんどんアイデアや意見が出るようになりました。これをきっかけにもっとコラボレーションが進むと良いと思います。


 

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1月30日、九州大学の授業をすべて終えた翌日、東京工業大学に行きました。おりからの雪が残っていて冬景色でした。ここ10年くらい、毎年一回、東京工業大学の社会工学専攻の学生たちに、社会学の話をしてきました。一字違いなんですが、社会学とは縁のない学生です。今年も20名くらいが受講してくれました。午後3時から6時までの授業なのですが、疲れているのでしょう、5名くらいは机につっぷして爆睡しています。ほかの学生たちは熱心にきいてくれました。時代の流れでしょうか、大学改革・学部学科再編の激流のなか、東工大でも社会工学は、学科じたいが、お取りつぶしになり、この授業もなくなるそうです。学長のリーダーシップを重視するとかで、大学は、どこもとんでもないことになっています。「社会」が「会社」になっていくようです。私も授業のさいごに「これは最後の授業でした」と、がらにもなく、つぶやいてしまいました。


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1月28日は、1年生向けの「社会学入門」最後の授業でした。半年間の講義をふり返って、「あまちゃん」と「東京物語」と「ゴジラ」の3つに共通する問題を話すことで締めくくりました。とくに「東京物語」での杉村春子の「長女」の意味を考え直しました。「あまちゃん」において「アキとユイ」とが二人でひとつのキャラクターであるのと同様、原節子と杉村春子は、まさに、表と裏、ふたりでひとり、というふうに造型されているのではないだろうか。そう考えると・・・という私的には新展開のお話しをしました。


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五ヶ瀬中等教育学校の「スーパーグローバル・ハイスクール」プロジェクトのお手伝いをしています。深い山の中にある中高一貫の全寮制の高校生が、地元の高齢化の問題に取り組むというリサーチ・プロジェクトです。いろいろアドバイスを求められるのですが、「まず統計や勉強から入ると、かならずお役所的な上からメセンになってしまう。そうすると高齢化や高齢者はこまったやっかいもの、ネガティヴな現象に見えてきてしまう。そうなっては、君たちの若者が取り組む意味がない。まず、統計やお勉強から入るのでなく、目の前の地元に暮らしているお年寄りの近くにいって、その人生の立場のメセンを共有しながら、君たちの若者の視点を作っていくことを心がけたらどうか」とアドバイスしました。でも、この視点の転換が、とっても難しいことなんです。私にとっても難しいし、大学生とともに柳川フィールドワークをしていても、大学生にとっても、この視点の転換が、とても難しくて高いハードルだということを実感しています。難しいだけに、ここを突破できるようなプランが考えられれば、それは大成果になるはずです。五ヶ瀬中等教育学校の高校一年生、がんばれ。


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今年最後の授業は静岡県立大学にて。わずか出席者6名だったけれど、楽しい3日間でした。十年ちかく続いたこの年末の授業も、今年が最後となった。「最後の授業」の最後。なんだか感慨深いものがあるなぁ。


静岡県立大学

今週の安立ゼミでは、柳川でのフィールドワークをふり返って考えたことをふまえて柳川市へ提案する内容を作るためのワークショップをしました。柳川出身の中村允紀くんがワークショップの手法を説明しグループワークを指揮して大活躍。だんだんと良いアイデアが生まれてきました。もうすこしふんばって、もうすこし深めていきたいと思います。


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先日の授業。大学2~4年生、約80名が受講する講義で「選挙権を持っている人」には大半が手をあげた。では直近の「福岡市長選で投票した人」となると4,5名だった。「これまで投票したことのある人」も10名以下だった・・・というわけで、ちょっと絶望的である。どこまで落ちるか興味深いくらいだ。
さて、きょうの授業では「若者にとっての選挙と結婚」との間に、じつは深い共通性があるということを話した。若者の投票率と結婚率との間に、同じ傾向が見て取れる。そして両者には「しない、いかない、ではなく、できない」という構造がある、というお話しをした。さらに、締めくくりに、小津安二郎の「晩春」「秋日和」「秋刀魚の味」の結婚式シーンを見てもらって、結婚と選挙との、深い共通性を感じてもらった。学生の反応は、きわめて良かった。


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先日、九州大学の安立ゼミ学生数名が、NPO法人「はかた夢松原の会」の事務所に集合して、国体道路の花植活動をしました。これは、西日本短大と九州大学の学生たちが、まちづくりの一環として行ってきたものです。
真冬到来の福岡、おりしも、きょうは「福岡国際マラソン」の日でした。上空はヘリコプターの音で騒然となるなか、学生たちが、花植活動をしました。
「はかた夢松原の会」では温かい豚汁とおにぎりがふるまわれました。おいしかったですね。また、すぐ近くの「けやき通り」と警固交差点では、マラソンのデッドヒートが繰り広げられていました。


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九州大学の年内の授業も残すところあと3回。この3回は、日本の「家族」について考えることにしています。中でもクライマックスは小津安二郎の「東京物語」のエッセンス部分を見てもらって、日本の家族について考えてもらうことです。さて、きょうは「小津安二郎・没後50年 隠された視線 」(BSプレミアム)を編集して20分ほどにして小津安二郎の紹介を行いました。この番組、なかなかの力作で、小津安二郎の「隠された視線」を、赤いヤカンなど、いろいろな観点から探っているのですが、まずは小津安二郎が、日本の家族をどう描いたか。「東京物語」や「秋日和」の映像とともに、吉田喜重の「小津さんは、人間の残酷さを描いた。人間の優しさを描いたんじゃないんですよ」という発言を中心に、学生に見てもらいました。さて反応はどうだったか。毎回、学生に感想を書いてもらっているのですが「東京物語の本篇をぜひみたい」という意見が多く、なかなか好評だったようです。


NHK 小津安二郎


東京物語 (1)


 

さて町歩きしたあと、お約束の柳川下りへ。なにしろゼミではジブリの高畑勲監督の『柳川堀割物語』を事前に見て勉強してきたのですから、川下りで堀割の現状を見学するのは欠かせませんね。ところが、まさかのどしゃぶりの雨。川下り決行しましたが、みなおしりがびしょ濡れ・・・でも、他にほとんど船が出ない中、なかなかの風情が味わえました。


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昨日は、ゼミ生16名をつれて柳川へ。シャッター通りを町歩きして商店街の若手リーダーにインタビューしました。かつて、ほんの20年前のバブル期には、とても賑わっていたという商店街が、いまやあっというまにさびれていくのを見るのは悲しいものです。なんとか活性化できないものか、いろいろ考えたいと思います。


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柳川市で「柳川市定住促進若者会議」が発足するにあたって委員かつ会長に任じられました。委員会には若者の意見をもっと政策にも反映させるべく、大学生にも委員になってもらいましたが、もっと若い世代の関心や意見も反映させる必要を感じます。そこで、市内中心部にある県立伝習館高校を訪問し、伝習館高校の学生と九州大学の学生との交流や意見交換の会を持ちたいむね、校長先生にご挨拶とご相談にうかがいました。校長先生、教頭先生からもご快諾をいただきました。


 
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ある朝の朝刊にふたつ並んだこの、一見、何のつながりもない2つには、隠された共通項があるのでは。
そういう観点から先日19日の授業を、組み立ててみました。さて、どんな共通項があるでしょうか。
私の見立ては、「社会の外部」に立つ存在。
高倉健は、若い頃、「昭和残侠伝」「網走番外地」など、社会の「アウト・ロー」(正確にはアウトローの中の正義漢)のヒーローを演じていました。網走「番外地」など文字通り地の果て「社会の外部」。その最底辺にいる男たちの中のヒーローでした。
さて国会議員は、またの名を「ロー・メイカー」。こちらは「社会」の中からのし上がってきて、「国会」という社会の上に君臨して、「社会の法」をつくる存在です。「法」は「社会」そのものだから、これを作る者たちは「社会の外部」にある存在とも言えます。また、解散総選挙ともなれば「議会」の外部に追い出されて、再び「議会」の内部に入ろうともがいて血みどろの闘争を始めるところなんざ、侠客世界と似ていないこともない。
つまり、「社会」の上と下に対照的に存在するとはいえ、「社会」の外部にある存在なところが、共通しているのです・・・
というような話をしたところ、学生たちは、きょとーん、としていました。
そこで、さらに、もっと盛り上がる話を繰り出したのだが・・・。


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網走番外地


 

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「ベンチャー企業に入って経験を積んだら将来は社会起業する」と宣言して卒業していった社会学の元気女子・佐藤奈緒さんが、カンボジアのナンバーワン人材派遣会社の「幹部」となって一時帰国。さっそく安立ゼミでゲスト・ティーチャーとして話してもらいました。まだ27歳。東京のベンチャー企業では、台湾での大仕事を成功させてから、あっさり転職。世界放浪をへてカンボジアへ。そこで若い人たちとすごい仕事をしているらしい。自信満々、前途洋々のその話しぶりに、学生たちはみな度肝を抜かれたみたいです。これからもがんばってね。


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さて座頭市を短く上演後、感想や意見を書いてもらいました。今回の1年生の専攻は、文学部の学生はむしろ少なく、経済学部、法学部、工学部、情報工学などの学生がメインなのです。みんな例のツイッター文体で「おもしろい」とか「つまんなかった」とかしか書かないのではないか・・・などと危惧していましたが、ぜんぜん「杞憂」でした。みんなすごく熱心に見て、私の話も聞いてくれて、そのうえで感想を書き込んできます。こちらの想定以上の感想や意見が出てきます。私は何度も見ていたのに、それを上回ってディテールまで瞬時に見て聞き取って考えてくる学生がいるところが凄い。「若い」ということは、こういうことなんだ、と思います。眼も耳も感覚も記憶も鋭い。一瞬で深いところまで理解する。すごいなぁ。


たけしの座頭市

今学期は1年生むけの「社会学入門」を担当して、新しい実験をしています。まず、毎回、15分から20分くらいに編集した映画やドキュメンタリー映像を見せること。そして、その見方、とらえ方、考え方、意外な視点、応用すると、などを解説すること。そのあとで15分くらい学生に自由に感想を意見や反論などを書いてもらうこと。これは準備がたいへんです。終わったあとの感想よみもたいへんです。でも、学生の反応が違います。毎回、びっちりと小さな字で意見や思いを書いてくる学生、反論をもって挑みかかってくるような学生、いろいろいます。授業をやったという「やりがい」感がありますね。
さて、初回は「あまちゃん」、二回目は加藤周一がジブリのスタッフを前に行った「座頭市は日本の象徴か」と題したレクチャーでした。三回目の先日は、それを受けて、勝新太郎の「座頭市物語」(わずか11分に編集)と北野たけしの「座頭市」(ほんの2分)。短すぎて分からないとぶうぶう言うのもいました。でも、大受け。みんな、いっぱい感想を書いてくれました。うれしいなぁ。


座頭市


10月から文学部・社会学、大学院・共生社会学コースにも新しい留学生たちがやってきました。マサチューセッツからのフルブライト留学生、上海・同済大学からの大学間交流協定による交換留学生、中国・山東省や河北省からの留学生、韓国からの留学生や研究生など、多士済々ですね。今期は全員が女性です。昨日は、留学生と、学部・大学院学生や教員スタッフとの交流をかねたランチ会をいたしました。


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