高橋源一郎の『ぼくたちはどう老いるか』(朝日新聞出版)を読みました。この3月に読売新聞夕刊で私と村瀨孝生さんの共著『介護のドラマツルギー』が紹介されたとき、彼の本も同じく「アンチ・アンチエイジングの本」として紹介されました。ですから読まなくてはと思っていたのです。読んでみると、これは予想外に深い本でした。

内容的には、鶴見俊輔の『もうろく帖』や、吉本隆明の老いを描いたハルノ宵子の『隆明だもの』、有吉佐和子の『恍惚の人』や耕治人の『そうかもしれない』などを紹介しながら、彼の老いと死にかんする思考や感想を書き記しています。さいごに谷川俊太郎や自分の弟の通夜のことなども書かれています。これらの先人たちの老いと死を、その書かれたものを読みながら考えるという本でした。

じつは『介護のドラマツルギー』を書く時に、私は鶴見俊輔の『もうろく帖』と谷川俊太郎の童話『おばあちゃん』を材料に、死の受容と老いの受容の違い、どちらがより困難か、それは老いの受容のほうではないか、などという草稿をつくっていたのです。そして『君たちはどう老いるか』という書名も考えていたのですが、けっきょくその草稿も書名もつかいませんでした。

源一郎さんの本は、どのエピソードにも、かなり驚きと深みのあるものでした。この本を読んだあと、ハルノ宵子(吉本さんの長女)の『隆明だもの』も一気に読みました。こんな本が出ていたのか、知りませんでした。


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