真夏の愉しみのひとつは露天の「屋外プール」に浮かんでぼんやりすること。福岡市の市民プールでは夏休み期間限定の屋外プールの開放がある。子ども用プールなので、わずか30センチくらいの浅いプールだが、そこに仰向け大の字になって浮かぶ。それには、うまく呼吸を整え、全身を脱力しなければならない。けっこうコツがいるが、この浮遊感がいい。プールに浮かんで空をみると、見上げるのでなく、見下ろす、という不思議な逆転感覚が生まれる。これは屋外プールでしか経験できない感覚ではないだろうか。上空を、とんびやつばめやトンボが飛んでいる。福岡空港へ着陸するための飛行機がひっきりなしに通る。でも、プールにうかぶと耳は水の中なので静かだ。こうやって、書き物の構想をねったり、宇宙に思いをいたしたりする。7月中の屋外プールは温泉みたいだった。8月もお盆が近くなると水温は行水のように涼しくなる。日が傾いていくのも1日ごとにはやまる。鰯雲がみえる。酷暑の夏も終わり始めているのだ。


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