「加藤周一現代思想研究センター」が来年3月で終了

京都の立命館大学の図書館内にある「加藤周一現代思想研究センター」が来年3月で終了するという。残念である。2011年に、加藤周一の遺族より、自宅に所蔵されていた2万冊に上る蔵書と厖大な遺稿や資料類の寄贈を受けて開設された加藤周一文庫はさまざまな活動をしてきた。彼の遺した1万頁を超える「手稿ノート」もデジタルアーカイブ化して一般公開してきた。さらに加藤の編集者であった鷲巣力さんを中心に、「羊の歌を読む」として毎月、公開読書会も開催してきた。私は京都に出かけたおり二度ほどセンターを訪問して資料などを見せていただいたことがある。読書会には近年オンラインで参加しはじめたのだが、これはすごい読書会である。岩波新書の『羊の歌』正続2冊を7年かけてじっくり精読している。私が高校生の時に読んで魅了された小さな本だ。これを毎回数ページじっくり読み進めている。読むだけではない、加藤の身近にいた編集者の鷲巣さんの解説もあって、書かれていることの背景にある事実が、途方もない深みが隠されていたことなどが、しだいに開示されてくる。わずか数文字の中にも、解説されなければぜったいに分からなかったような秘密が隠されていたりする。毎回、そういう発見がある。この読書会は、ぜひ続けてほしい。鷲巣力さんという「生き証人」から、もっともっと聞きたい知りたいことがある。


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