フランス映画「最強のふたり」を観ました。フランス映画の達人の野崎歓さんが、最近のフランス映画のなかではお薦めといっていたやつです。
なかなか面白かった。全介護を必要とする富裕ではあるが自力では何もできないフランス人男性と、介護や看護のことなんか何も知らない貧しく社会の底辺の行動スタイルがしみ込んでいる移民の黒人とが関わるストーリーです。
豊かな北と貧しい南との対比、介護における専門家と素人との対比など、いろんなテーマを読み込むことが可能でしょうね。
ともあれ、生命力あふれる黒人の介護者が、専門家による医療や看護や介護の常識をめちゃくちゃにする。それがかえって要介護のフランス富裕者の生命力を、再活性化する、というストーリー。あれれ、これって、日本の介護保険や医療・看護を根底から批判している三好春樹の介護論とその論旨がそっくりではないか!
医療や看護の専門家が、けっきょく、老人の生命力を抑圧してしまう、それにたいして素人の介護職こそ、生活にもとづいて再活性化することができる、という主張。これは、三好春樹の介護学を、映画化したものではないか、などと思ってしまいました。
映画としては、そんなにすごいかなぁ、とは思ったけれど、音楽とのバランスがいいですね。


最強の

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