ロシア特集で昔放映された「知られざるロシア・アヴァンギャルド」を見ました。これも非常に興味深かったですね。内容は、ロシア文学者の亀山郁夫さんがロシア・アヴァンギャルドの絵が大量にあるという秘密(というか秘境)の場所へと旅する話です。NHKによれば「ソ連崩壊後、中央アジアのオアシスの町ヌクスの美術館に残された数千点のロシア・アバンギャルドの絵画に世界中の注目が集まっている。20世紀初頭、画家たちは、ロシア革命と並行し、前衛的で活力のある絵画を描いたが、スターリンの弾圧によって表舞台から消えていった。抑圧された時代に彼らの絵画をひそかに蒐集し、現代に遺したサヴィツキーの足跡をたどり、自由を求めたアバンギャルドの名画の力強さを伝える。」
みんなスターリンが抽象絵画を禁止・弾圧したあと、怖くてロシア・アヴァンギャルドを見たり保持したりできなくなった。そこにサヴィツキーという突出した美術館長が現れて、じつに大量のアヴァンギャルド絵画を中央アジアの奥地の美術館に避難させて・・・という物語。ううむ、ここでもロシアの怖ろしさと奥深さ、そしてスターリンに屈しなかった名もない人々のことが丹念に描かれていて、力作ドキュメンタリでしたね。ソ連崩壊後、この国立美術館も入館料収入だけでやっていかなくてはならなくなり、非常な苦境に陥っているそうです。職員が美術品が展示されている部屋の水差しに水をいれている姿が象徴的でした。加湿器が買えないのだそうです。体制の崩壊は、こうやって、文化も崩壊させていくのでしょうか。○阪市のことが気になりますね。


ロシア2

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