あはがり と「新日本風土記」
あはがり
奄美大島に行きたくなったのは、NHKの「新日本風土記」の、あの印象的なタイトルロールの音楽だ。朝崎郁恵という奄美大島(正確には加計呂麻島生まれ)出身の唄者の「あはがり」。これはすごい。それにくわえて、NHKの「新日本風土記」という番組も、現在放映されているテレビ番組の中では、突出したダントツの存在ではないだろうか。数年前、香港から九州大学に留学生としてきていたジョイス・ウォンさんが、日本と香港のTV番組の比較をしたいといいだして、当時、NHK福岡放送局でディレクターをしていたMさんにお昼の生放送番組を見せていただき、いろいろお話をうかがったことを思い出す。Mさんはその後、東京に戻られ、「新日本風土記」という番組制作にも参加されているはずである。いまでも時々、メールで、こんどこんな番組をつくりました、と連絡をいただく。
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以下、NHKのホームページより。
新日本風土記のテーマ曲「あはがり」。奄美島唄の唄者、朝崎郁恵さんが唄と詞を担当し、朝崎さんと親交のある吉俣良さんが編曲を手がけた、島唄をベースにしたオリジナル曲です。あはがり」とは奄美の島言葉で「すべてがあかるい」という意味です。奄美の島唄は、口伝で伝えられてきたもので、私たちが知っているような「歌」とか「曲」のような、定まった形とは違います。伝えられているのは、いくつもの歌詞のフレーズと、いくつものメロディのフレーズです。唄者は、祝いや弔いなど、そのとき歌う場にふさわしい歌詞を組み合わせ、それにふさわしいメロディを選び、その場で歌い分けています。今回の「あはがり」は、番組のイメージにあわせて、朝崎さんが伝えたいメッセージも交えて数ヶ月かけて詞を選び、作り、歌い、吉俣さんが、それにピアノをあてて編曲し、楽譜に起こしたものです。奄美の島唄の歌詞は、古い都の言葉が残っていると朝崎さんは言います。かつて渡ってきた人々が伝えた大昔の日本の言葉が、島唄の口伝の中で、そのままの形で保存されてきたと言うことで、つまり、奄美の島唄は、奄美のものばかりでなく、古い日本の姿そのものだと言う意味です。
インフォメーション
安立清史(「超高齢社会研究所」代表、九州大学名誉教授)のホームページとブログです──新著『福祉の起原』(弦書房)が出版されました。これまで『超高齢社会の乗り越え方』、『21世紀の《想像の共同体》─ボランティアの原理 非営利の可能性』、『ボランティアと有償ボランティア』(弦書房)、『福祉NPOの社会学』(東京大学出版会)などの著書があります。「超高齢社会研究所」代表をつとめています。https://aging-society.jp/ 参照
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