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今月はマタ・ハリものを立て続けに3つ観ました。マレーネ・ディートリッヒの「間諜X27」(1931)、グレタ・ガルボの「マタ・ハリ」(1932)、そして蒼井優の「スパイの妻」(2020)です。百年たっても人気の女スパイものには、しかし男の視点しかありません。だからこれでもかと女スパイの美しさを強調します。美しさを際立たせたうえで銃殺する。勝手なものですね。美しさではグレタ・ガルボが際だっています。内容はじつに陳腐で説得力を欠くラブストーリーなのですが。「間諜X27」の ディートリッヒは独特のニヒルな感じがあります。銃殺シーンでは、あっと驚かすようなどんでん返しの問題提起があります。「スパイの妻」はちょっと肩すかしのスパイ物でした。スリルとサスペンスだけがあって、なぜここまでやるのだ、なぜスパイになるのだ、現実世界をこえる理念や目的があるのか、という理由づけがとても弱いように思いました。


greta garbo 1932 – mata hari – by clarence sinclair bull. Restored by Nick & jane for Dr. Macro’s High Quality Movie Scans website: http://www.doctormacro.com. Enjoy!