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利賀村のSCOTサマーシーズンで毎週末上演される野外劇+花火の競演「世界の果てからこんにちは」。悲劇と笑劇、花火と戦火とが渾然一体となって観客を引き込みます。いよいよ、明日で今シーズンの花火も終わりですね。先々週、利賀村にいたときに見た花火師さんたち、そして消防団が花火にそなえていました。合掌造りの古い家屋がいたるところにあるので、消防団が事前に放水して、火をもらわないようにしていました。はじめて見た準備風景でした。


利賀村からの帰り道、草むらで、間近にオニヤンマに出会いました。ほんの数十センチのところに止まりました。オニヤンマって、深い、青い眼をしていたんですね。しかも、羽音がはんぱない。ぶんぶんと命の鼓動を響かせて舞っています。この元気なトンボの羽音が、夏の終わりを感じさせました。


今年も、夏の利賀村で「SCOTサマーシーズン」が始まりました。
九州からだと、途方もなく遠い(行きにくい)富山の山中にある「利賀芸術公園」ですが、今年も数千人の観客であふれています。
鈴木忠志とSCOT(Suzuki Company of Toga)は、もう30年以上にわたって過疎地の合掌集落に拠点をかまえて演劇に打ち込んできました。夏のサマーシーズンには世界中から人びとが集まります。いわば過疎地における村おこしの原型のひとつです。
ところで、鈴木忠志さんのトークで驚かされたことがありました。このサマーシーズンが始まった当初、利賀村の村民は1700人、そこに日本や世界から1万人以上がやってきていたそうです。現在も、集客力に変わりはありませんが(むしろ国際化が進んでいて海外からの客がふえている)、村民は500人にまで減少しました。数年内には170人ほどになるということです。たしかに利賀村には民宿も少なくなって、宿泊には苦労します。これを聞くと、日本における都市と地方との格差や「限界集落」問題の深刻さに、あらためて胸ふさがれる思いです。「地方」からみると、人口減少で「ニッポンがお亡くなりに」なりはじめているのです。