Currently viewing the tag: "夏目漱石の妻、シューベルトのピアノ・ソナタ第21番"

不思議なもので「夏目漱石の妻」というNHKの土曜ドラマを見なかったら、シューベルトのこの曲を知ることもなかっただろうし、CDを借りてきて何度も聴くこともなかったはずだ。何を言っているかというと、ドラマにも、音楽にも(そして演奏にも)、それだけの惹きつける力があったということだ。ドラマも音楽も、良かった。ドラマについては毎回、1時間15分もの長丁場で、これほど暗くて重たいテーマを、よくもたせたものだと思う。このドラマで、初めて夏目漱石の病跡について詳しく知ることになった。ドラマだからどこまで脚色されているか分からないが、基本的に事実には基づいているのだろう。凄まじいことである。いっしょに見ていた家族は重すぎて見ていられないと逃げ出した。こういう重いドラマをエンドロールの「シューベルトのピアノ・ソナタ第21番」が見事に救っている。これも見事な選曲だ。21番のしかも第三楽章のしかも後半の、そして絶妙ともいうべきワルツのような箇所を使っている。誰が選曲したのだろうか。感心した。


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