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日本記者クラブの「記者会見」がYouTubeで見られる。これをダウンロードして見るのが(というか通勤途中や機内や車中などで聴くのが)、なかなか良い、とても勉強になる。
きっかけは「戦後70年、語る・問う」というシリーズ会見に、見田宗介・大澤真幸さんが登場して、戦後70年関連の記者会見を聴いたことだった。以後、このシリーズで加藤典洋さん、中島岳志さん、アンドルー・ゴードンさん、柳田邦男さん、などを聴いた。また、沖縄関係では、前泊博盛さんとか、松島泰勝さんとか、いろいろと聴いた。
「記者会見」というが、実際は40分から1時間ほどの講演があって、そのご30分くらいの質疑応答がある。1時間30分くらいもあるこってりしたものなので、なかなかYouTubeで一気にみとおす人はいないのではないか。でも、これは面白い。ダウンロードして、iPhoneやiPadなどで、音声を聞いていると、ちょうど通勤とか移動中とか、ウォーキングの最中などに、ちょうどよい。このところ、記者会見だけでなく、音声で講演を聴くのは、ひそかな楽しみになっている。
感想ひとつ。
記者クラブというから、集まっている人は記者か、もしくは退職した記者なのだろう。さぞかし記者らしい質問をするのだろうと思っていた。ところが、この人たち、じつに「質問がへた」なのである。
今の政治家に生々しい話を聴くというのと違って、長時間にわたって講演をきいたあとの質問ということもあるだろう。新聞記事になるような記者会見でないということもある。また「個人会員です」という質問者が多いので、現役でなく退職した記者の質問が多いのかもしれない。それにしても、である。
こんなにも興味深い話を聴いたあと、さぞかし、すごい鋭い質問をするのだろうと思っていると、じつに、なんというか、つまらない質問が多いのである。これには、驚いた。
先日聴いた「琉球独立論」の著者、松島泰勝さんの記者会見など、話はとても重みのある重要な話なのに、記者たちの質問が、じつに重箱の隅をつつくような、つまらない質問ばかりなので、驚いてしまった。なんというか、本質をはずした質問ばかりだ。あえて話をつまらなくさせる、もしくは、興味深い論点を中和させるような「現実」的な質問ばかりだった。ああこれじゃなぁ、と思った。
良い質問をすることは、じつに難しい。
良い質問とは、話された内容を受けて、それ以上のことを引き出すもの。話されたこと以上のことを引き出す問いのことだろう。
プロフェッショナルな記者でもこうなのだから、良い「質問」は、とても難しいのだ。