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先週、福祉社会学会大会が開かれた「日本社会事業大学」は、現在は清瀬の土地にありますが、20数年前までは都心の原宿にありました。そして、私が初めて勤めた大学、20年前まで勤めていた大学です。大学院をおえて初めて就職したこの大学は、当時、原宿の竹下通りを下ったところにある不思議な大学でした。それは「日本一小さな」(何しろ一学年百数十人のみ)「国設民営」(国の土地建物だが運営は私学法人)の「ソーシャルワークの単科大学」という不思議な存在でした。そもそも原宿のキャンパス建物じたいが「海軍の博物館」だったものを大学にしたのです。GHQが接収して、二度とファシズムが勃興しないよう、日本政府に社会福祉を教える大学の設立を命じたものだと言われています。文部省はそれを断わったので、旧厚労省がやむなく引き受けたといわれています。当時から、社会福祉と文科省とは、そりがあわなかったのですね。私の研究室は、中二階にあり、古地図をみると「東郷元帥遺品室」とありました。遺品の陳列室だったのです。入り口の空間には、零戦が展示されてあったともいいます。魚雷の模型も、くちはててすみにおしやられていました。極めつけは、いざというとき、この博物館の地下から、秘密の通路が明治神宮までほられている、というものでした。ほかにも、旧海軍の宝物が隠されているはずだとか、いろいろな噂(というか都市伝説?)がありました。(余談ながら、この秘密通路は、後にじっさいにあったことが証明されました)。なつかしいなぁ。その後、中曽根民活で、都心の一等地ということで売却され、この原宿キャンパスは、いまや跡形も無く、セコムかなにかの巨大なビルに建て変わってしまいました。隣接していた「東郷女子学生会館」も消滅してしまいました。猫がたくさんいる、都会のオアシスだったのですが。いまは昔となりました。