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福岡市総合図書館・シネラでの鈴木清順特集で、鈴木清順の遺作「オペレッタ狸御殿」を観る。これが遺作なのか。感想の持ちようがない、というのが正直なところ。配布された参考資料には「この鈴木清順版は度が過ぎており、ほとんど悪ふざけにしか見えない」「壮大なコントだと思えば、映画としてかなりの冒険をしている」「いったい何をやらされているんだ、といった俳優たちの戸惑いが全編にみなぎっている」などと、これまた相当なことが書かれている。しかし見終わったあとでは、これでも褒めすぎているようにすら思える。観客のみならず、というか、制作者一同が「いったいどうなるんだ」と戸惑っているのがありありと目に浮かぶ。うーん、そういう意味では、凄い作品だ。

追伸

ユリイカの鈴木清順追悼号で、オダギリ・ジョーが書いていた。オダギリさんは容貌が良いから演技なんかどうでもいいんです、と言われて、こんちくしょー、この狸親父め、と思って演技したとか。さもありなん。関係者みんな「いったい何をやらされてるんだ」という困惑がふつふつと湧き上がっているなんとも奇体な映画である。