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no art,no life──これはNHK・Eテレの、週に一度、わずか5分間の番組である。でも、その5分間が濃密だ。毎回、ひっくり返るほど驚かされる。
たとえば最近の回では「勝山直斗」くんの紹介。番組紹介には「中学生の勝山直斗は、唾液を指につけ壁に絵を描き、壁紙を剥がして壁画を浮かび上がらせる。日本各地の“表現せずにいられない”アーティストを紹介する。既存の美術や流行・教育などに左右されない、その独創的な美術作品」とある。まさにそのとおり。障がい者を見るようなパターナリズムがまったくない。「障がい」とか「福祉」というような概念をまったく必要としない。そんな次元をはるかに超えている。純粋に、ひとりの驚くべきアーティストとして紹介している。
しかもこの人(勝山くん)は、変わった人をのぞき込むような目線をちょっとでも示したカメラに向かって激しく攻撃してくる。彼は壁紙を口にいれる。最後には、それを天上に向かって投げあげる。これは凄い。

追伸
さらにさかのぼって「no art, no life」をいくつも観ました。驚きはさらに深まります。はじめのころは「障害者アート」「エイブル・アート」、フランス語で「アール・ブリュット」などと様々な説明がなされていました。作者が福祉施設や障害者作業所でこうした作品を作っていることを紹介していました。福祉番組という枠での紹介だったのかもしれません。そうした説明が、回を追うごとに消えていきます。いまは「no art, no life」だけになりました。これは、びっくりするくらい番組が成長したからだと言えるでしょう。