「こころの時代──ファンタジーに秘められた宗教」がNHK・Eテレで6回シリーズで放映されています。これまで5回放映されましたが、1回目と4回目が出色だったと思います。1回目のサン=テグジュペリーの回を見ていて思ったことですが、小さな王子が言うと「大切なことは目に見えない」という言葉がずしんと響いてくる。ところが、同じことを「大人や政治家や老人」が言ったらどうでしょう。プチの反対のグラン(将軍ド・ゴールのことらしい)に言われたら、上からの説教あるいは命令になってしまう。無力な子ども(プチ)に言わせるところが、ファンタジーですね。上下関係をひっくりかえすと、何かがうまれる。だから「星の王子さま」というのは、やはり誤訳だと思いました。星の王子というと、星という超越的なレベルからのお説教になってしまいます。しかしサン=テグジュペリは「星の王子」とは言っていません。「小さな」王子と言っています。「グラン」に対抗する「プチ」。大きなド・ゴールでない、小さな子どもの王子。その小さな王子が、物語がすすむと、だんだん幼子イエスに見えてくる。最後は昇天して新約聖書のファンタジーに見えてくる。これはとても面白い。また、小さな王子が、星めぐりをして、さいごに地球にやってくるのは、あたかも「銀河鉄道の夜」につながっているかのようでした。


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