NHK・Eテレ「こころの時代──ファンタジーに秘められた宗教」を見た。
毎月一度のこの番組、最終回は、手塚治虫の「火の鳥」と宮﨑駿の「風の谷のナウシカ」だった。だが1時間の中にふたつを詰め込むのは難しかったことだろう。手塚が45分、宮﨑が15分くらいでは後半がちょっと物足りなかった。「ナウシカ」の漫画版は、映画とちがってかなり難解だし。ただ私はこれまで「火の鳥」全巻は読んだことがなかったので、火の鳥の概要がわかってよかった。火の鳥とナウシカを結びつけるというのは、かなり大胆で斬新な視点だった。しかし全体としてみると成功していたと思う。
このシリーズでは、1回目の「星の王子さま」(「ちいさな王子」のほうが良かったと思うが)の回と、4回目の「銀河鉄道の夜」とがとくに面白かった。全体として、翻訳家で宗教学の中村圭志さんという人と、キリスト者(若松英輔)や仏教者(釈撤宗)、そして毎回、若い女性読者代表という三人で進行するというのが、見やすさ、聴きやすさを生んでいたと思う(いささかフェミニズム的な視点からいうと問題かもしれないが)。こういう番組は、上からメセンのお説教くささが出やすいのかと思ったら、そうではなかった。宗教の話メインではなく、ファンタジーの話メインで、最後に宗教との関係が示唆される、というのはなかなか考えられた作り方だった。



