「名画泥棒ルーベン・ブラント」
EUフィルム・ディズというイベントでハンガリーのアニメ「名画泥棒ルーベン・ブラント(Ruben Brandt, Collector)」(2018)という作品を観ました。名画の盗難と探偵の追跡の物語というあらすじですが、そこに本当の焦点はなく、シーク&ファインドの疾走感と飛翔や跳躍がこの映画の中心でしょう。いきなりの大画面と疾走する物語。これは凄い。ジブリの手書きの風景とはまったく違った現代的なテイストの映像と背景に魅入ってしまう。切り返しや場面転換の素早いアクション。超高性能の動態アニメというべきか。主人公のひとり「ミミ」の造形が興味深い。ジブリのような子どもが自己投入できるキャラクターではまったくないのに、とても魅力的。ハードボイルドな女性キャラクターですね。アニメといいつつ子ども向けではない大人むけのテイストをもった映画が可能だということ。しかもこれがハンガリーという国から出てきたいうことに、しばらく理解が追いつかない。


老人性アメイジング! 寿ぎと分解
「せたがや文化財団・生活工房」とい未知の団体をYouTubeで知りました。9月に出版される『介護のドラマツルギー』の共著者・村瀨孝生さんが、昨年に続いて今年も「老人性アメイジング」という摩訶不思議なイベントに出演されて、それがYouTube動画で配信されているからです。これは控えめに言って不思議なイベント、もっというと驚愕のシンポジウムの記録といって良いでしょう。何しろ、昨年は「老いとベートーベンと介護」、今年は「老いと分解とストラヴィンスキー」ですからね。村瀬さんが介護小噺をしたあと、伊藤亜沙さんや藤原辰史さんらと鼎談して、そのあと弦楽四重奏やピアノデュオの演奏がはいる、というのです。どうしてこんなイベントが可能になったんだろう。凄いことですね。これは世にも稀有なイベントだったのではないでしょうか。


「老いとぼけの自由な世界」村瀨孝生さんの福岡ユネスコ協会主催の講演会が開かれます
2年越しで取り組んできた共著書『介護のドラマツルギー』がもうすぐ出版されます。全国的に有名な介護施設「宅老所よりあい」代表の村瀨孝生さんと、社会学の安立清史とが、介護とは何か、介護にとって「ことば」とは何か、老いと認知症と介護のドラマについて、考えあい、論じあった本です。


村瀨孝生さんとの共著『介護のドラマツルギー』が出版されます
福岡の介護施設「宅老所よりあい」代表の村瀨孝生さんと2年越しで作ってきた共著『介護のドラマツルギー』(弦書房)がようやく完成のはこびとなりました。9月早々には出版の予定です。目次を見るとお分かりになると思いますが、かなり攻めています。ユニークで斬新で面白い本になっているのではないかと思います。9月後半からは二人でブックトークなど始める予定です。講演や研修、ブックトークなどを企画してみたいという方がいらっしゃればぜひご連絡ください。



昨日(7/10)は、福岡県ケアハウス協議会の研修で、在宅ホスピス医療のパイオニア、二ノ坂保喜先生とともにお話しさせていただきました。二ノ坂先生は「看取りをコミュニティで支える」というお話をされ、私はそれをうけて、「医療にとって言葉とは何か」「大切すぎて、大切にできないこと」「アメイジングの見つけ方」などいくつかのお話をしました。二ノ坂先生の具体的な事例紹介のあと、いきなり福祉社会学へと飛躍・跳躍しましたので、みなさんは少し戸惑われたかもしれませんが、私にとってはとても有意義な対話でした。


今年は私が企画して2回ほど講演・研修会を計画しています。7月10日には在宅ホスピス医療のレジェンド、二ノ坂保喜先生の講演と私との対談です。準備のために二ノ坂先生の本をまとめて読んでいるところです。『在宅ホスピス物語』などを読むとさまざまなことを考えさせられますね。直接、お話をうかがえるのが楽しみです。
なお9月27日には福岡ユネスコ協会の主催で村瀨孝生さんの講演があります。この講演に間に合うように、私と村瀬さんとの2年越しの共著『介護のドラマツルギー』(仮題)も弦書房から出版される予定です。さらに11月には村瀬さんと私とのブックトークも計画されています。


日本NPO学会大会(関西学院大学)で報告するため、久しぶりに神戸へ。30年以上(震災前から)つきあいのあるCS神戸(認定NPO法人コミュニティ・サポートセンター神戸)・理事長の中村順子さんにお会いしてきました。最近のCS神戸の事業展開をうかがうとすごいです。あいかわらずパワフル、あいかわらずアイデアに溢れ、おまけに即座の実行力あり。すごいなぁ。事務局次長の山村さんも同席して補足説明してくれました。CS神戸はスタッフにもめぐまれ、これからもますます発展していきそうですね。


日本NPO学会大会で報告しました。大会初日の朝イチ、しかも大雨の降る中でしたが意外にも多くの人に聞いていただけました。「官」や「私」に呑み込まれない「公」は可能なのか?という企画パネルで、私は「官と民からいかにして公共が可能か─レスター・サラモンの「第三者による政府」理論の再検討」を報告しました。いまだにレスター・サラモンなのかなどという声もあったかに聞きますが、いやいや、そうではありません。理論の力というのはブームが去ったあと、主唱者が亡くなったあとに本当に真価が問われるものだと思います。私は紹介ではなく、理論をさらに発展させるために、サラモンの言わなかったことまで考えようとしました。サラモンのその先を構想する──それこそ学会の本当のあり方ではないでしょうか。


あすから久しぶり(おそらく10年ぶり)に神戸へ。関西学院大学で開催される日本NPO学会の「企画パネル/「官」や「私」に呑み込まれない「公」は可能なのか?」の討論者として招聘されましたので。なんだか大仰なタイトルですね。私の報告は「官と民からいかにして公共が可能か─レスター・サラモンの「第三者による政府」理論の再検討」というこれまた大仰なものになってしまいました。


福岡市総合図書館シネラで「ジョージア(旧称グルジア)映画祭」が開催されており、かねてより観たかったギオルギ・シェンゲラヤ監督の映画「ピロスマニ」(1969)を観ることができました。おまけに岩波ホール時代に出会ってからずっと担当してきたというはらだたけひろさんの映画と同じくらい長尺の話とともに。この映画とりわけ前半部がすごいです。シュールでありながら、まるで柳田國男の語る近代のはじまる直前の物語のようです。椎葉村や遠野郷もかつては、このようだったのではないかと思わせるような、めくるめく神話的な世界。美智子さんがお忍びで観にこられたというのもなるほどと納得です。


福祉社会学会の機関誌『福祉社会学研究』22号で、拙著『福祉社会学の思考』(弦書房、2025)が書評されました。評者は東京大学文学部社会学研究室の米澤旦准教授です。なんと40年前、私が大学院生の頃に執筆した論文のことまで参照されて論評されています。うれしいことです。


 

 

日本NPO学会大会(6月14-15日、関西学院大学)の「企画パネル/「官」や「私」に呑み込まれない「公」は可能なのか?-NPOと社会的排除・包摂」に討論者として招聘されましたので6月14日に登壇します。私の発表は「官と民からいかにして公共が可能か──レスター・サラモンの「第三者による政府」理論の再検討」となる予定です。久しぶりの日本NPO学会、久しぶりの神戸、楽しみです。


TVでジブリ映画「君たちはどう生きるか」が放映されましたね。思い出しながらDVDの特典映像『宮﨑駿と青サギと~「君たちはどう生きるか」への道~』を見返してみました。いろいろと気づくところがありました。まず制作過程でスタッフとともに宮﨑さんたちは何度か温泉に行っています。群馬の四万温泉、会津若松の東山温泉、それに岩手・花巻の大沢温泉ですね。とくに先月行ってきた大沢温泉は宮﨑監督が髭をそるシーンなどを撮影したところですね。現在は鈴木さんの「トトロとジブリとカンヤダと」という展覧会をやっていますね。印象深いのは、宮﨑さんと鈴木さんが話し合っているのは、なんと私たちも宿泊した湯治屋という自炊棟の部屋ではないですか。急に親近感を感じました。


花巻の宮沢賢治の墓所は身照寺にあります。賢治が勤めていた花巻農学校すぐそばです。ちなみに農学校跡は「ぎんどろ公園」と文化会館になっています。私たちが訪れた時には、ともに満開の桜でした。宮沢家の墓所は、フランス・オーヴェールのゴッホ兄弟の墓に似ているように思いました。思えばゴッホと同じく、父と宗教をめぐっては、たいへんな葛藤をへた賢治です。「銀河鉄道の夜」で、ジョバンニの父は遠くはなれた北の海にいっているのです。


盛岡から雨の中、北上川沿いの道を南下して花巻まで行きました。花巻で宿泊したのは宮沢賢治ゆかりの大沢温泉でした(賢治の父がここで仏教講習会を開いていたので幼少期から賢治は来ていたそうです)。私たちは昔ながらの湯治客のための古い部屋に泊まりました。宿は山が近く豊沢川ぞいです。そういえばジブリ映画「君たちはどう生きるか」の制作過程をドキュメントした番組で宮崎さんと鈴木さんが温泉につかっているのはこの温泉でした(ほかにも群馬の四万温泉や会津若松の東山温泉も出てきました)。


先日、すでに葉桜になっている福岡から桜前線をおいかけて、はるばる盛岡まで行きました。新幹線では郡山でどっとお客さんがおりました。きっと三春の滝桜を見に行く人たちでしょう。満開と交通大渋滞の報がでていました。盛岡につくと、石割り桜が開花したばかりでした。翌日、レンタカーで小岩井農場の一本桜を見に行きました。残念ながらまだつぼみでした。でも快晴だったのはこの日の午前中だけでしたから、残雪のこる岩手山と一本桜を見ることができたのは幸運でした。その後、花巻までいって宮沢賢治巡りをしましたが、ずっと雨天気でした。


福岡の桜はあらたか散ってしまいました。こんどは藤が満開です。かつて九州大学教養部があった六本松に、不思議な和菓子屋さんがあって、この時期、フジ屋敷のようになるのです。まるで両目からフジの花が溢れだしているようで圧巻です。



拙著『福祉社会学の思考』(弦書房,2024)の書評が、日本社会学会の機関誌『社会学評論』300号に掲載されました。評者は東京大学副学長の佐藤健二さんです。「連想を楽しみつつ、興味深く読んだ」とありますが、さまざまな論点についてご指摘をうけました。さすがに学会誌の書評ですね。今後にいかしていきたいと思います。



 

ずいぶん前に書いた原稿なのですが、ようやく教科書となって出版されます。ミネルヴァ書房の「新・MINERVA社会福祉士養成テキスト18」の『社会学と社会システム』。その12章「社会変動と社会福祉」が私の担当した章です。