今年は私が企画して2回ほど講演・研修会を計画しています。7月10日には在宅ホスピス医療のレジェンド、二ノ坂保喜先生の講演と私との対談です。準備のために二ノ坂先生の本をまとめて読んでいるところです。『在宅ホスピス物語』などを読むとさまざまなことを考えさせられますね。直接、お話をうかがえるのが楽しみです。
なお9月27日には福岡ユネスコ協会の主催で村瀨孝生さんの講演があります。この講演に間に合うように、私と村瀬さんとの2年越しの共著『介護のドラマツルギー』(仮題)も弦書房から出版される予定です。さらに11月には村瀬さんと私とのブックトークも計画されています。


日本NPO学会大会(関西学院大学)で報告するため、久しぶりに神戸へ。30年以上(震災前から)つきあいのあるCS神戸(認定NPO法人コミュニティ・サポートセンター神戸)・理事長の中村順子さんにお会いしてきました。最近のCS神戸の事業展開をうかがうとすごいです。あいかわらずパワフル、あいかわらずアイデアに溢れ、おまけに即座の実行力あり。すごいなぁ。事務局次長の山村さんも同席して補足説明してくれました。CS神戸はスタッフにもめぐまれ、これからもますます発展していきそうですね。


日本NPO学会大会で報告しました。大会初日の朝イチ、しかも大雨の降る中でしたが意外にも多くの人に聞いていただけました。「官」や「私」に呑み込まれない「公」は可能なのか?という企画パネルで、私は「官と民からいかにして公共が可能か─レスター・サラモンの「第三者による政府」理論の再検討」を報告しました。いまだにレスター・サラモンなのかなどという声もあったかに聞きますが、いやいや、そうではありません。理論の力というのはブームが去ったあと、主唱者が亡くなったあとに本当に真価が問われるものだと思います。私は紹介ではなく、理論をさらに発展させるために、サラモンの言わなかったことまで考えようとしました。サラモンのその先を構想する──それこそ学会の本当のあり方ではないでしょうか。


あすから久しぶり(おそらく10年ぶり)に神戸へ。関西学院大学で開催される日本NPO学会の「企画パネル/「官」や「私」に呑み込まれない「公」は可能なのか?」の討論者として招聘されましたので。なんだか大仰なタイトルですね。私の報告は「官と民からいかにして公共が可能か─レスター・サラモンの「第三者による政府」理論の再検討」というこれまた大仰なものになってしまいました。


福岡市総合図書館シネラで「ジョージア(旧称グルジア)映画祭」が開催されており、かねてより観たかったギオルギ・シェンゲラヤ監督の映画「ピロスマニ」(1969)を観ることができました。おまけに岩波ホール時代に出会ってからずっと担当してきたというはらだたけひろさんの映画と同じくらい長尺の話とともに。この映画とりわけ前半部がすごいです。シュールでありながら、まるで柳田國男の語る近代のはじまる直前の物語のようです。椎葉村や遠野郷もかつては、このようだったのではないかと思わせるような、めくるめく神話的な世界。美智子さんがお忍びで観にこられたというのもなるほどと納得です。


福祉社会学会の機関誌『福祉社会学研究』22号で、拙著『福祉社会学の思考』(弦書房、2025)が書評されました。評者は東京大学文学部社会学研究室の米澤旦准教授です。なんと40年前、私が大学院生の頃に執筆した論文のことまで参照されて論評されています。うれしいことです。


 

 

日本NPO学会大会(6月14-15日、関西学院大学)の「企画パネル/「官」や「私」に呑み込まれない「公」は可能なのか?-NPOと社会的排除・包摂」に討論者として招聘されましたので6月14日に登壇します。私の発表は「官と民からいかにして公共が可能か──レスター・サラモンの「第三者による政府」理論の再検討」となる予定です。久しぶりの日本NPO学会、久しぶりの神戸、楽しみです。


TVでジブリ映画「君たちはどう生きるか」が放映されましたね。思い出しながらDVDの特典映像『宮﨑駿と青サギと~「君たちはどう生きるか」への道~』を見返してみました。いろいろと気づくところがありました。まず制作過程でスタッフとともに宮﨑さんたちは何度か温泉に行っています。群馬の四万温泉、会津若松の東山温泉、それに岩手・花巻の大沢温泉ですね。とくに先月行ってきた大沢温泉は宮﨑監督が髭をそるシーンなどを撮影したところですね。現在は鈴木さんの「トトロとジブリとカンヤダと」という展覧会をやっていますね。印象深いのは、宮﨑さんと鈴木さんが話し合っているのは、なんと私たちも宿泊した湯治屋という自炊棟の部屋ではないですか。急に親近感を感じました。


花巻の宮沢賢治の墓所は身照寺にあります。賢治が勤めていた花巻農学校すぐそばです。ちなみに農学校跡は「ぎんどろ公園」と文化会館になっています。私たちが訪れた時には、ともに満開の桜でした。宮沢家の墓所は、フランス・オーヴェールのゴッホ兄弟の墓に似ているように思いました。思えばゴッホと同じく、父と宗教をめぐっては、たいへんな葛藤をへた賢治です。「銀河鉄道の夜」で、ジョバンニの父は遠くはなれた北の海にいっているのです。


盛岡から雨の中、北上川沿いの道を南下して花巻まで行きました。花巻で宿泊したのは宮沢賢治ゆかりの大沢温泉でした(賢治の父がここで仏教講習会を開いていたので幼少期から賢治は来ていたそうです)。私たちは昔ながらの湯治客のための古い部屋に泊まりました。宿は山が近く豊沢川ぞいです。そういえばジブリ映画「君たちはどう生きるか」の制作過程をドキュメントした番組で宮崎さんと鈴木さんが温泉につかっているのはこの温泉でした(ほかにも群馬の四万温泉や会津若松の東山温泉も出てきました)。


先日、すでに葉桜になっている福岡から桜前線をおいかけて、はるばる盛岡まで行きました。新幹線では郡山でどっとお客さんがおりました。きっと三春の滝桜を見に行く人たちでしょう。満開と交通大渋滞の報がでていました。盛岡につくと、石割り桜が開花したばかりでした。翌日、レンタカーで小岩井農場の一本桜を見に行きました。残念ながらまだつぼみでした。でも快晴だったのはこの日の午前中だけでしたから、残雪のこる岩手山と一本桜を見ることができたのは幸運でした。その後、花巻までいって宮沢賢治巡りをしましたが、ずっと雨天気でした。


福岡の桜はあらたか散ってしまいました。こんどは藤が満開です。かつて九州大学教養部があった六本松に、不思議な和菓子屋さんがあって、この時期、フジ屋敷のようになるのです。まるで両目からフジの花が溢れだしているようで圧巻です。



拙著『福祉社会学の思考』(弦書房,2024)の書評が、日本社会学会の機関誌『社会学評論』300号に掲載されました。評者は東京大学副学長の佐藤健二さんです。「連想を楽しみつつ、興味深く読んだ」とありますが、さまざまな論点についてご指摘をうけました。さすがに学会誌の書評ですね。今後にいかしていきたいと思います。



 

ずいぶん前に書いた原稿なのですが、ようやく教科書となって出版されます。ミネルヴァ書房の「新・MINERVA社会福祉士養成テキスト18」の『社会学と社会システム』。その12章「社会変動と社会福祉」が私の担当した章です。


福岡で「ACAP 20周年」記念の「Active Aging Conference 2025」が開催されており、昨日、私も参加してきました。私は20年前からメンバーの一人として参加してきましたが、よく続いたものです。ますます国際化して多彩なメンバーが参加されています。ハワイ大学、韓国、上海、インドネシア、タイ、香港などの人たちと旧交を温めることができました。https://acap2025.com/japanese/


 

香川県丸亀市で講演しました。「ことばの呪文からどう脱出するか」という演題です。いま世界中がコトバの暴風雨にさらされています。SNSや「トランプ」というコトバの暴風雨です。でも考えてみると私たちの身近にもコトバの暴力はあふれているのではないでしょうか? たとえば「老老介護」とか「認知症」はどうでしょう。お年寄りを不安におとしいれる呪文ではないでしょうか。反対に「かわいい」というのは若い人たちにかけられた強力な呪文です。私たちはコトバなしには生きられないのですが、コトバに対抗するコトバをどうやったら持てるでしょうか。そういうお話をいたしました。


30数年前、私が最初につとめた大学は原宿のど真ん中にありました。今回、家族の結婚式で訪れた東郷神社は、まさにその大学のとなりにありました。すでにその大学は郊外に移転しているのですが、なつかしいので跡地がどうなったのか、歩いてみました。ところが、分からない。あまりに激変しているので面影がみつかりません。どこにあったか分からなくなりました。調べてわかったのは大学跡地が原宿警察署になったらしいということ。原宿警察って交番くらいかと思っていたら巨大なビルでした。となりにあった東郷女子学生会館は巨大なセコムのビルになっていました。茫然としました。あらためて30年という歳月の長さを思い知りました。



 

「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」でいちばん人気だったのではないでしょうか。日曜美術館では坂本美雨が亡き父を思い出して泣いていました。私も最前列で聴きましたが、うまく作ったものです。かつて映写した映像を反射させて、そこで坂本龍一が演奏しているように再現しています。たんなる映像以上の映像が、幻影となってそこにいます。



東京に用事があって数日おりました。帰福する前に時間があったので、東京都現代美術館のに行きました。驚きました。日にち指定のチケットをもっていたのに入場するまでに30分もの行列にならびます。入ってからもどの部屋へ入るのも大行列ばかりです。はいると中はまっくらなで、ぎゅうぎゅうづめになって、フロアに座り込んでみるようなものばかりで、まいりました。大人気なのですね。