From the monthly archives: "5月 2025"

福祉社会学会の機関誌『福祉社会学研究』22号で、拙著『福祉社会学の思考』(弦書房、2025)が書評されました。評者は東京大学文学部社会学研究室の米澤旦准教授です。なんと40年前、私が大学院生の頃に執筆した論文のことまで参照されて論評されています。うれしいことです。


 

 

日本NPO学会大会(6月14-15日、関西学院大学)の「企画パネル/「官」や「私」に呑み込まれない「公」は可能なのか?-NPOと社会的排除・包摂」に討論者として招聘されましたので6月14日に登壇します。私の発表は「官と民からいかにして公共が可能か──レスター・サラモンの「第三者による政府」理論の再検討」となる予定です。久しぶりの日本NPO学会、久しぶりの神戸、楽しみです。


TVでジブリ映画「君たちはどう生きるか」が放映されましたね。思い出しながらDVDの特典映像『宮﨑駿と青サギと~「君たちはどう生きるか」への道~』を見返してみました。いろいろと気づくところがありました。まず制作過程でスタッフとともに宮﨑さんたちは何度か温泉に行っています。群馬の四万温泉、会津若松の東山温泉、それに岩手・花巻の大沢温泉ですね。とくに先月行ってきた大沢温泉は宮﨑監督が髭をそるシーンなどを撮影したところですね。現在は鈴木さんの「トトロとジブリとカンヤダと」という展覧会をやっていますね。印象深いのは、宮﨑さんと鈴木さんが話し合っているのは、なんと私たちも宿泊した湯治屋という自炊棟の部屋ではないですか。急に親近感を感じました。


花巻の宮沢賢治の墓所は身照寺にあります。賢治が勤めていた花巻農学校すぐそばです。ちなみに農学校跡は「ぎんどろ公園」と文化会館になっています。私たちが訪れた時には、ともに満開の桜でした。宮沢家の墓所は、フランス・オーヴェールのゴッホ兄弟の墓に似ているように思いました。思えばゴッホと同じく、父と宗教をめぐっては、たいへんな葛藤をへた賢治です。「銀河鉄道の夜」で、ジョバンニの父は遠くはなれた北の海にいっているのです。


盛岡から雨の中、北上川沿いの道を南下して花巻まで行きました。花巻で宿泊したのは宮沢賢治ゆかりの大沢温泉でした(賢治の父がここで仏教講習会を開いていたので幼少期から賢治は来ていたそうです)。私たちは昔ながらの湯治客のための古い部屋に泊まりました。宿は山が近く豊沢川ぞいです。そういえばジブリ映画「君たちはどう生きるか」の制作過程をドキュメントした番組で宮崎さんと鈴木さんが温泉につかっているのはこの温泉でした(ほかにも群馬の四万温泉や会津若松の東山温泉も出てきました)。