参院選に向けていろいろな議論がなされています。大きな話題のひとつは、今回もまた投票率の最低を更新するのではないか、とくに若者の投票率がどこまで落ちるか、ということだと思います。選挙のたびに、ゼミや授業でもこの話題を、学生とディスカッションするのですが、意想外の答えが出てきたりして、なかなか面白いのです。大学1,2年生からは「感心がないわけではないが、何も知らない私たちが投票していいものか、責任感が重くて投票できない」など。これは意想外でしたね。
さて、その後「思考実験」をしてみたのです。「このまま順調に投票率が下がり続けると、最終的に、どこまで落ちるだろうか」「国政選挙なのだが、投票者ゼロということはありうるだろうか」「投票者がたった一人の場合でも、選挙というのは成立するだろうか」「投票率がどこまで下がると選挙の正統性が失われるだろうか」などなど。
かつて柄谷行人は「選挙などやめて、くじ引きにしたら良い」という大胆な提案をしていました。現状をみていると「選挙よりもくじ引きのほうが民意を反映する」という皮肉なパラドクスが、にわかに現実味を帯びてきたように思います。


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