From the monthly archives: "8月 2021"

今日の「村上ラジオ」はなかなか良かったですね。そして番組の最後の最後で次のようなクロージング・メッセージ。「菅さんはおトシのわりにすごく視力がいいんでしょうね。僕は菅さんと同い歳だけど、出口なんてぜんぜん見えてません。この人、聴く耳はあまり持たないみたいだけど、目だけはいいのかもしれない。あるいは見たいものだけ見ているのかもしれない」──拍手。


博多祇園山笠の中心、櫛田神社にほど近く、風格のある和風旅館でした。近くを通るたび、いちど宿泊してみたい。福岡にくる友人、とくに外国からくる友人には、ここを薦めてみたいと、前から思っていました。その思いが叶うことはなく、コロナ禍の中、ひっそりと消滅したらしいです。何か、ひどく、虚しい思いです。日本に英国のような「ナショナル・トラスト」があればと思います。どうしてあの歴史的な風格ある建物が、駐車場にならなくてはいけないのでしょうか。https://news.yahoo.co.jp/articles/cf92f0e54d90fcfab4943f3ddfdefb0cbcb6d71b


サラモン先生逝去の報で思い出しました。サラモン編の『Global Civil Society, Volume One: Dimensions of the Nonprofit Sector』の翻訳が、Y先生監訳でM書房から出版されるはずでした。私もある章を割り振られたので、大学院生とともに一夏をかけてその翻訳に打ち込みました。その後、Y先生からもM書房からも、何の連絡もありません。あの翻訳出版は、いったいどこに消えたのでしょうか。あの本、歴史的文書として、今でも出版する価値はあると思うのですが。


ジョンズ・ホプキンス大学での思い出。サラモン先生からは、これが私の主著だから、と『Partners in Public Service』にサインをいただきました。長年、この主著にある「第三者による政府」という概念が良く分からなかったのですが、昨年、その含意について思いを巡らせ、私なりの解釈に到達しました。なんだか長年にわたるサラモン先生からの宿題に答えることができた気分でした。今年3月に上梓した著書『21世紀の《想像の共同体》』のあとがきにも、謝辞として、そのことを書いたばかりだったのですが……


サラモン先生の突然の訃報に驚きました(8月20日に78歳で亡くなったそうです)。出口正之さんに紹介状を書いていただいて、ジョンズ・ホプキンス大学に滞在したのは、21年前になります。3月、マグノリアが咲き乱れるキャンパスに到着してサラモン先生にお会いしました。世界中から、とくに東欧や旧ソ連から、NPOを学ぶ留学生が来ていました。ボルティモアは全米でも有数の犯罪率の高い町として有名ですが、郊外にあるジョンズ・ホプキンス大学は別天地でした。大学周辺の住宅地を散歩するとその美しさに魅了されました。夕方ボルティモアのダウンタウンからバスに乗って大学に帰ろうとすると乗客はすべて黒人、しかも巨大な人たちでした。おそるおそる話しかけてみると、とてもシャイで物静かな人たちだったことを印象深く思い出します。


マグノリアの花咲くジョンズ・ホプキンス大学キャンパス