From the monthly archives: "10月 2012"

JTW留学生のジョイス・ウォンさん、香港のテレビ局で活躍中
3年ほど前、交換留学生として香港から九州大学にやってきて、私のところで「日本のワイドショーと香港のワイドショーとの比較研究」というテーマで、フィールドワークや研究をしていったJTW留学生のジョイス・ウォンさんからメールがあり、香港のテレビ局でアナウンサーとして活躍中だそうです。
以下、そのメール
「私大学卒業してずっとテレビ局でアナウンサーとして働いてます。
最初は簡単なニュース報道してばかりですけど、最近、株価情報番組も挑戦してみました。
毎日マーケットや個別株の動向をみて、分析速報をたくさん作って、視聴者に伝えてます。
気楽な仕事ではないけど、充実して幸せだと思います。
All the best,
Joyce」
以下は、彼女の出演番組です。
王載儀 2012年5月23日 1330午間新聞
http://www.youtube.com/watch?v=51PjvvPY-_M&feature=youtu.be


秋の大相撲九州場所
大相撲九州場所が近づきました。わが家のすぐ近くのお寺や神社に高砂部屋と九重部屋がきます。もうのぼりもあがっていて、町ははやくも師走ムードです。巨体の小錦が高砂部屋にいたころは、町のお寿司屋さんには「小錦巻き」がメニューにのっていたっけ。


バリ島から一年、巨大マンタとの遭遇
昨年の10月には、アジア太平洋アクティブ・エイジング会議で、インドネシア・バリ島にいました。会議の最中、震度6の地震があり、ホテルの天井からぱらぱらと破片が落ちてきたのを覚えています。会議はパニックに陥り、みんなホテル外に避難しました。ちょうどオックスフォード大学の先生が興味深い報告をしていたところだったのですが・・・おかげで話の内容はすっとんでしまいました。
さて、会議の休日に、スノーケリング・ツアーに参加してみました。これはダイビングのコースに、同船させてもらって、ダイバーたちが潜る海をスノーケリングするツアーでしたが、通常のスノーケリングと異なり、けっこう深い海をスノーケリングするのでした。また、バリ島ではなく、ちかくの「ヌサ・ペニダ」(ヌサは島の意味です)まで高速艇で突っ走って、そこからダイブインするのでした。小さな高速艇は波に揺られて、初心者たちは船酔いしていました。ついた先のダイビングポイントで、先行していたダイバーたちが「いるぞ」というのでみんな一気に海に入ったのですが、いました。巨大なマンタがたくさんいました。なかには、ダイバーには有名な、ブラック・マンタもいました。しかも、近くまで寄ってきます。すごい。しかし、寒い。赤道直下の海なのですが、海底深くからわき上がってくる深海流が、マンタのえさとなるプランクトンを発生させるのだそうで、マンタが集まるのは、こうした深くから水がわきあがってくるような、したがって、冷たい海なのでした。5分に入っていられないような冷たさ(それでも20度くらいでしょうか)なので、短時間、マンタと遭遇できただけでした。船にあがると、みんなぶるぶると震えていました。(ダイバーに聞くと、同じく人気のマンボウも9月にくるそうですが、やはり深くて寒い海にでるそうです)


 

巨大ストーム

アメリカには百年に一度というような巨大ストームが襲来していて、大統領選挙直前でニューヨーク証券取引所が閉鎖とか、大混乱を引き起こしています。BSニュースをみると、アメリカだけでなくヨーロッパで異常気象が続いているようですね。今回のハリケーン・サンディの報道では、7年前にルイジアナをおそった「巨大ハリケーン・カトリーナ」のことが比較されています。7年前、カトリーナが襲来したとき、私は、ちょうどアメリカに暮らしていたのですよ。ボストンでしたから、そんなに直接の影響はなかったのですが、ちょうどハリケーンがルイジアナを襲った時、レンタカーをしてボストンから北上し、メイン州を旅していました。メイン州のアカディア国立公園でみた、風景がこれです。はるか遠く、北のカナダ国境に近いメイン州でも、ハリケーンの影響があったのでしょうか。



アジア太平洋アクティブ・エイジング会議
来週は、いよいよ北九州市でのACAP(アジア太平洋アクティブ・エイジング会議)が開催されます。授業の一環として、九州大学の皆さんには、バスを出しますので、参加をお願いします(参加費、バス代ともに無料)。ハワイ大学、インドネシア、シンガポール、マレーシア、韓国、などから国際的なアクティブ・エイジング研究者がやってくる予定です。


秋晴れの天神フィールドワーク
2年生の社会調査法講義の授業の一環として、福岡・天神のNPO法人「はかた夢松原の会」事務所に集合して、西日本短大の西川先生とその学生さんたちとともに、警固から天神までの国体道路やその周辺を歩いて、「天神フィールドワーク」を開始しました。1時間ほど歩いてから、集合して、きょうの「気づき」を報告しあいました。天気も良くて、絶好のフィールドワーク日和でした。


世界記憶遺産の炭鉱記録画で有名な山本作兵衛さんを記念して「山本作兵衛と日本の近代」と題したシンポジウムが開かれます。
私も企画委員をつとめる福岡ユネスコ協会では、11月17日(土)に、レソラNTT夢天神ホールで、世界記憶遺産登録に尽力されたオーストラリア人研究者、マイケル・ピアソン氏ほかを招いて、シンポジウムを開催しますので、ご案内いたします。
作兵衛さんの炭鉱記録画の世界記憶遺産登録にあたっては、日本からというよりは、海外の研究者からの強い推薦があって、実現したとききます。その経緯や意義などを聞けることと思います。



取材学
加藤秀俊『取材学──探求の技法』中公新書
ここでは「取材」という。でも、言い換えれば「社会調査」とか「フィールドワーク」とほぼ同じこと。
書いてあることは、とても社会調査実習に役立つ。
取材というのは、良い材料を見つけ出すことだよ。
図書館やデータや文字の世界も探さねばならないよ。
もの知りに聞く、というのがインタビュー調査の基本だよ。
現地を見ることが、取材の基礎だよ。
そしてそれをまとめることも必要だよ。
・・・どれもごくごく普通のこと。でも、実行できるかどうか。社会調査実習に入る学生は、この本をまず味読・熟読しておくと良い。


◆沈思黙考とメインテーマ
学生たちが、社会調査実習で、インタビューに出かけるので、どう準備したら良いか、どんな質問をしたら良いか、と尋ねてきた。
どういうことを聞いたら良いか、それをじっくりと「沈思黙考」しようよと、と答えた。
社会調査実習は、いわば「社会」に出かけて、「社会」の中で人に出会って、「社会」に関する様々な問題や課題を、手探りしながら「発見」していく実習だ。事前に、いろいろ不安になって、準備したい気持ちは、分かる。
でも、今回のインタビューは、日程が決まったのが直前で、ほとんど時間的な余裕がない。
だったら、いまから、本を調べて読んで・・・としている時間的余裕はない。
こういうときこそ、沈思黙考、だ。
ふだん、われわれは、忙しく、じっとだまって考えることが少ない。
でも、どうしたら良いか分からない時、重要な案件がせまっていて、自分の考えを作らなければならないとき、大切なことが何なのか分からなくなってきた時こそ、「沈思黙考」が必要なのだ。
学生を見ていると(学生でなくてもそうだが)、みんな忙しさを口実に、自分で考えるという苦しい作業を、逃げてしまいがちだ(自戒を込めて、こう言う)。忙しい時は、じつは、楽なのである。やるべきことが明確で、時間は足りないが、何をしたら良いかで思い迷うことはない。ただ目前の作業をすれば良いのだから、ほんとうは、たいへんではない。
ところが、やるべきことが不明確な場合、でも何かしなければならない時、これこそ大変なのである。何をすべきか、じっくりと「自分で考えなければならない」。そして「その結果は、自分で引き受けなければならない」。これは、じつは、困難な作業なんだ。
今回の、インタビューをする、ということは決まったけれど、何を聞いたら良いか分からない、という状況が、まさに、それだ。
そういう時に、人は、誰かに「どうしたら良いでしょうか」と頼ってしまう。誰かが「こういうことを、こういうふうに、聞いたら良いよ」と答えてくれることを期待してしまう。でも、こんな風に「教えてもらう」ことから、いつかは脱却しなければならない。社会調査実習は、そういう、またとない機会なのだ。
そのためにも、沈思黙考から始めることが、大切だ。
「聞く」まえに、まず、考えること。「調べる」まえに考えてみること。
しかし気をつけよう、1分で考えつくことは、1分で消え去るような「思いつき」かもしれない。
でも、1時間考えたこと、1週間考え続けたことは、そうかんたんに消え去るような思いつきではないはずだ。
一ヶ月や何年も、考えてきたこと、それは、自分の本当の問題関心ではないだろうか。
自分の本当のテーマ、自分の深いところからわき起こる関心、そうかんたんには消え去らないような、思いつきとは違った、人生に関わるようなテーマ・・・ちょっと大袈裟になってしまうが、大切なこと、後まで残ることって、そういうことなんだと思う。
いっときの思いつき、一時のひらめき、たんなる関心、ではだめです。持ちません。耕すことも、深めることも、熟成させることもできません。
だからこそ、時々、沈思黙考が必要なのです。
でも、やってみなさい。
沈思黙考、じつに難しいことなのだ。
かんたんなものじゃない。
たったの5分でも、無念無想、自分にとっての根本的なメインテーマとはなにか、考え続けられるだろうか。
やってみてほしい。


幻想的な臼杵の竹宵
大分県の臼杵という町は、作家野上弥生子の生まれた町(『迷路』作者、昔よんだなぁ。生まれは、ふんどーきん、という醤油の醸造元)、大林宣彦の「なごり雪」のロケされた町、「ふぐ」も有名ですし、二王座の町並みでも有名ですね。ここ臼杵の町全体が、竹の切り株にろうそくの灯りがともる「臼杵、竹宵」が、今年は11月3,4日だそうです。福岡でも灯明ウォッチングがありますが、臼杵の竹宵は、山が荒れると竹がふえる、その竹を切り出して町おこしに活用しようというアイデアから生まれたともききます。3年前に、家族で泊まりがけでいって堪能しました。町全体が幻想的になるんです。これは、すごいですよ。


異次元空間への入り口
京都・伏見稲荷神社に行った。ここは外人さんにも大人気の異次元スポット。たしかに、奥千本という奉納鳥居の郡立はちょっとみものだ(千本どころか万本あるという)。みんなふらふらと吸い込まれるようにこの異次元空間をくぐってゆく。赤というよりオレンジ色であって、やはり非日常的な色彩だ。そこを支配しているのは狐さんであって人間ではない。しかも急な坂を上るようにして万以上もあるというオレンジ色の鳥居をくぐっていく。これは脱日常へむけた、自己をむなしゅうしていく修行でもあるのか・・・そんなことはないか。稲荷は異次元空間へ入っていく門なんだが、たどり着いた先は、商売繁盛・入試合格といったこれはまたきわめてというか、あまりに現世的なナマの利益願望なんだから。修行を通じて現世を超越するのでなく、かえってどぎついまでの現世利益にまみれた自分を発見する。これもまた、修行、なのかな。


「きつねちゃん」と「すっぽん堂」
いなり寿司といったら伏見稲荷なのか。参道を歩くと、あるわあるわ。なかでも「きつねちゃん」とか「すっぽん堂」とか、店名がおもしろい。これほど真正直に、本質だけを伝える店名というのも、珍しいのではないか。ふつう、ここまで真正面から言わないよなぁ。いやはや関西の方々の正直さには参りました。


京都に行くと楽しみなのが、漬け物。なんで京都の漬物は、おいしいのだろうか。わが家がひいきなのは、錦の「打田」。茄子、おいしい。


京都の錦市場は、もう秋の味覚の世界。「松茸、有マス」。丹波の松茸は、一本15000円。こういうのが流通するのも京都。料亭なんかでは、いくらくらいになるのか。最近は、錦でも「松茸たきこみご飯」をメニューにだしています。3千円なり。これ、食べたかった・・・。


京都での超高齢社会シンポジウム
京都女子大学で開催された「近未来・超高齢化する都市部の生活セーフティネット」に参加してきました。当日は、京都女子大学学生だけでなく、地域の人たち、京都市役所の方々、そして京都市長の門川大作さんまで聞きにきていただきました。北九州市立大学の楢原先生が綿密な公営住宅のフィールドワーク結果をもとに、地域の自治会の重要さを論じられ、京都女子大学の山田先生が地域のひきこもり高齢者へのねばりづよい働きかけの実践を報告されました。私は、高齢社会を危機と考えすぎ「上から目線で将来を憂う」モードに染まりがちになりがちなことの問題点を指摘し、これまでの地域の自治会組織だけでなく、女性・若者なども参加できるNPOや、市民団体など、単層でない「重層的な地域のつながり」こそが超高齢社会を支える鍵になるのではないかと論じました。シンポジウムの後、京都市長も議論に加わっていただき、たいへん有意義なシンポジウムになったと思います。


京都に行ってきました(京都女子大学でのシンポジウムで話してきました)。
朝の散歩の途中、京都・錦市場の野菜やさんで見つけました。こんなかわいい「カボチャ」。もうハロウィーンも近いようです。


九州大学 ホームカミングデー&アラムナイフェス

 ”分野と世代を超えた、九大人のつどい”
 当日のご参加も歓迎いたしますので、
 在学生・卒業生・教員・地域の皆様お気軽に遊びにきてください!

 本年は、九州大学が卒業生・修了生を対象に行っていましたホームカ
ミングデーと昨年発足し、全学を対象とした卒業生・修了生、教職員、
在学生の親睦、情報交流の活性化を目的として開催しました福岡同窓会
の九大アラムナイフェスを合同開催し、相互の連携を深め、今後の九州
大学の発展に寄与することを目指します。

・日 時:平成24年10月20日(土) 10:30~16:00
・場 所:箱崎キャンパス (福岡市東区箱崎6-10-1)
・対 象:卒業生、在学生、教職員、一般市民
・参加費:500円(会場環境整理・交歓会参加費)
・詳細はこちら
◇ホームカミングデーホームページ
http://www.kyushu-u.ac.jp/event/home_coming_day/
◇Facebook(「九大アラムナイ:九州大学福岡同窓会」で検索)
http://www.facebook.com/


梅棹忠夫の『知的生産の技術』
とうとうこういう時代になったのだ。
きょう、社会調査実習に関する授業の中で、私にとってはサプライズがあった。
梅棹忠夫の『知的生産の技術』(岩波新書)の紹介をしたら、誰ひとり、読んだことのある学生がいなかった。大学院生のティーチング・アシスタントですら、読んだことも聞いたこともないという。
があーん。そういう時代になったのかなぁ。そういえば、村上春樹も、みんな、読んだことがないと言っていたし。
でもなぁ、35年くらい前、私が高校生だった頃は、みんな高校生で、この本は読んでいたぞ・・・てなことを言っても、まったくの「おじさん言説」になってしまう今日このごろ、秋の夕暮れであった。
さて、この流れは、どこまでいくのか。