From the monthly archives: "11月 2014"

  福岡ユネスコ協会主催の「イム・グォンテク監督講演会」&映画「春香伝」上映(福岡市総合図書館シネラ)がありました。アメリカと中国からの二人の留学生とともに参加してきました。映画「春香伝」は、韓国の「パンソリ」にのせて伝統社会における悲恋と恨が詠われる大作なんですが、この映画について、アメリカ人留学生は「この映画、アメリカで見ました」「アジア研究者の中では有名です」とのこと。ふうん、知らなかったですね。
 さて、私じしんは、はっきりいって、この映画にはのけぞりました。2000年の作なのに、こりゃ30年ふるい、という感じです。日本でいうと「水戸黄門」の世界で、ちょっと反時代的な映画に見えてしまいました。あまりにもアメリカ的な価値観の対極にあるので、アメリカのアジア研究者のなかでは有名な映画なのかもしれませんね。
 さて、この古びた物語、劇団SCOTの鈴木忠志だったらどう演出するか。「これは狂った男の、精神病院でみた幻想、死に行く男の最期の妄想である」というストーリーにするのではないか。
 若いころの劇的で濃密な恋愛、それが親や社会の掟で引き裂かれてから、男は次第に狂いはじめる・・・狂気と幻想の中で、男は科挙にトップ合格する夢をみる、そして、女に拷問をほどこしている悪代官を退治するため、密使としてやってきて、見事な大成功をおさめて拍手喝采をあびる・・・これらはすべて現実にはあり得ない夢、精神病院の中に収容された男の狂気の幻想としてみると、じつにリアルな現代劇として蘇るように思います。さぁて、どうでしょうか。


春香伝

柳川市で「柳川市定住促進若者会議」が発足するにあたって委員かつ会長に任じられました。委員会には若者の意見をもっと政策にも反映させるべく、大学生にも委員になってもらいましたが、もっと若い世代の関心や意見も反映させる必要を感じます。そこで、市内中心部にある県立伝習館高校を訪問し、伝習館高校の学生と九州大学の学生との交流や意見交換の会を持ちたいむね、校長先生にご挨拶とご相談にうかがいました。校長先生、教頭先生からもご快諾をいただきました。


 
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「消滅可能性自治体」なんていう失礼なリストにリストアップされてしまった柳川市。さっそく「柳川市定住促進若者会議」を発足させることになり、第一回の委員会が開催されました。私も委員会議の会長をつとめることになりました。メンバーの方々は、やるきまんまん、さっそくつぎつぎに刺激的アイデアを出されました。これは、とても期待できるのではないでしょうか。


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第一回会議


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ある朝の朝刊にふたつ並んだこの、一見、何のつながりもない2つには、隠された共通項があるのでは。
そういう観点から先日19日の授業を、組み立ててみました。さて、どんな共通項があるでしょうか。
私の見立ては、「社会の外部」に立つ存在。
高倉健は、若い頃、「昭和残侠伝」「網走番外地」など、社会の「アウト・ロー」(正確にはアウトローの中の正義漢)のヒーローを演じていました。網走「番外地」など文字通り地の果て「社会の外部」。その最底辺にいる男たちの中のヒーローでした。
さて国会議員は、またの名を「ロー・メイカー」。こちらは「社会」の中からのし上がってきて、「国会」という社会の上に君臨して、「社会の法」をつくる存在です。「法」は「社会」そのものだから、これを作る者たちは「社会の外部」にある存在とも言えます。また、解散総選挙ともなれば「議会」の外部に追い出されて、再び「議会」の内部に入ろうともがいて血みどろの闘争を始めるところなんざ、侠客世界と似ていないこともない。
つまり、「社会」の上と下に対照的に存在するとはいえ、「社会」の外部にある存在なところが、共通しているのです・・・
というような話をしたところ、学生たちは、きょとーん、としていました。
そこで、さらに、もっと盛り上がる話を繰り出したのだが・・・。


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網走番外地


 

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博多の中世からの寺町界隈の灯りを消して、お寺の内側だけをライトアップして浮かび上がらせる「博多ライトアップ・ウォーク」が始まりました。
さっそくアメリカからの留学生やゼミ生とともに古い博多の寺町を町歩きしてきました。
承天寺、 順心寺、櫛田神社といきましたが、聖福寺が参加していないのがちょっと残念ですね。
今年は、櫛田神社が、ライトアップとシンクロする不思議な提灯を準備していて、サプライズでした。


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昨日は透明な秋のまぶしいような光につつまれた一日でしたね。紅葉に色づいてきた大学の櫂の樹が、逆光にはえて、見事なくらい、美しい色をだしてくれていました。あと、何年、この紅葉をめでることができるのだろう。移転してしまったら、もう、誰も、この樹を見ることもなくなるのだろうなぁ。


櫂の樹


秋の光景


櫂の樹の葉

九州大学の伊都の新キャンパスへの移転も、いよいよ最終盤にさしかかってきて、箱崎文系地区も、あと3~4年以内に移転とのことです。まったく気が進みませんが、動くことになるんでしょうねぇ。いやだなぁ。紅葉がみごとなこの櫂の樹。伊都キャンパスにもっていくとは考えられないから、どうなっていくのだろう。古い建物とともに、ばっさりと伐採される運命にあるのだろうか。そういうことも気になりますね。(この時期、リュウゼツランも満開になって見事です)。


箱崎の櫂の樹


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大澤真幸・小林康夫『「知の技法」入門』(河出書房新社)を読んでいて、突然おもいだしました。

ニーチェはスイスのバーゼル大学で教鞭をとり、また、後年にも、夏はスイスで過ごすことが多かったようです。
伝記によれば「病気の療養のために気候のよい土地を求めて、ニーチェは1889年まで・・・夏の多くはスイスのグラウビュンデン州サンモリッツ近郊の村ジルス・マリアで、冬はイタリアのジェノヴァ、ラパッロ、トリノ、あるいはフランスのニースといった都市で過ごした」とあります。
もう5年以上前のことになりますが、夏に、スイスのサンモリッツを訪ねたことがあります。スイスの有名な画家セガンティーニがその晩年をサンモリッツで過ごし、ここで没し、ここに「セガンティーニ美術館」があるからです。セガンティーニ美術館は、私の愛読書『ひとり旅の楽しみ』でとりわけ印象深く紹介されていたところで、ぜひ、いちど訪ねてみたかったからです。
さて、あわせてその郊外を逍遙していたとき、偶然ですが、ニーチェのサマーハウスに遭遇しました。
これがニーチェのサマーハウスです。
童話のように美しい小さな村の中にある、これまた童話的に美しい小さなサマーハウスです。


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福岡は天気が下り気味。小雨のちらつくなかを「BOOKOKA 2014」イベントの「福岡で考えるドストエフスキーと現代-亀山郁夫講演会」に行ってきました。ドストエフスキーの『罪と罰』を再読しながら、隠された深い意味をさぐる・・・なかなかスリリングで、面白かったですねぇ。


ブックオカ 亀山郁夫

あすは福岡マラソン。1千人からの市民ランナーが走るので、大規模な交通規制がかかるようです。わが家に近くから出発して、移転途中の、九州大学の伊都・新キャンパスを通りぬけて、糸島のほうでフィニッシュするようです。


福岡マラソン

熊本の夏目漱石旧居でぐうぜんに猫に遭遇しました。漱石の『猫の家』は、ここではないらしいのですが、なんと、この熊本の旧居の猫は、「吾輩は猫である」のイメージそっくりの猫でしたね。びっくりしました。タイムリーですね。

(漱石の猫の家は、文京区にあったらしいのですが、今は愛知県犬山市の明治村に移築されているそうです)


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「ベンチャー企業に入って経験を積んだら将来は社会起業する」と宣言して卒業していった社会学の元気女子・佐藤奈緒さんが、カンボジアのナンバーワン人材派遣会社の「幹部」となって一時帰国。さっそく安立ゼミでゲスト・ティーチャーとして話してもらいました。まだ27歳。東京のベンチャー企業では、台湾での大仕事を成功させてから、あっさり転職。世界放浪をへてカンボジアへ。そこで若い人たちとすごい仕事をしているらしい。自信満々、前途洋々のその話しぶりに、学生たちはみな度肝を抜かれたみたいです。これからもがんばってね。


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