From the monthly archives: "6月 2015"

先週、大学の学生支援委員として奨学金の選考の面接をしました。
ちょっとしたショックでした。こんなにも生活が苦しい(のだろうと思います)学生たちがいるということに。にもかかわらず、こんなに、成績も性格も良くて生真面目すぎるくらい生真面目な学生たちがいるということに。(そういう学生でないと応募しても面接まではあがってこないのかもしれませんが)。
世の中、インセンティブをあげて競争させてグローバル化の時代に勝ち抜ける大学を、などと言っていますが、なんだか根本的に間違っている、ということを感じます。大学とか公教育機関は、むしろ、こうした経済的には困窮しているが、勉学意欲にあふれた学生たちを支援していくことではないでしょうか。


奨学金

名古屋で福祉社会学会大会があったので、あわせて名古屋のパワフルな介護系NPOの方々とお会いしてきました。介護サービスさくらの村居多美子さんのご紹介で、長久手市長の吉田一平さんにお会いすることができました。吉田さんはとてもユニークな施設を展開する「社会福祉法人・愛知たいようの杜ゴジカラ村」の設立者でもあります。前回訪問した「ゴジカラ村」にくわえて今回は「だいたい村」を見学させていただきました。


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「地方消滅」と言われる時代です。地方の若者たちが「地元」の現状や課題をどう考えているのか、大学生が高校生とコラボしていっしょに「地元」の将来像を考えていきたいと思っています。そこで柳川市の中心にある伝統ある元の藩校、伝習館高校に九州大学とのコラボのお願いに行ってきました。校長先生、教頭先生、生徒指導主事の先生方とお会いして、ご理解をいただきました。さっそく、安立ゼミと伝習館高校とのコラボを立ち上げたいと思います。


伝習館高校

大澤真幸さんの個人誌『Thinking O』12号「ピケティ『21世紀の資本』を越えて」読み終わりました。
今年になって、あれよあれよというまにベストセラーとなったトマ・ピケティの『21世紀の資本』。格差社会の原因が解明されているらしくて・・・購入はしたけど分厚くてまだ読んでいない・・私もそうだけれど、そういう人むけの超入門の解説。プラスされて経済学者の小野善康さんと、この本の長所と弱点のじっくり検討、さらに「格差の原因はそれではない」と題された論文・・・読み始めるとあっというまに読まされますね。難しいとろもないではないけれど。一方で、アベノミクスがもてはやされる社会、他方でピケティがベストセラーになる社会。この両極の間に、私たちはいる。まさに、こういう私たちの現在を考えるうえで、とても深い示唆を与えてくれるものと思います。


大澤真幸ピケティ

ユリの季節は短くて・・・あっというまに満開になって、あっというまに散り去っていきます。
このユリ、遠目には清純そのものに見えるのだけれど、近づいてみると、なんだか、すごく濃厚なんですよね。そのギャップがまた・・・


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「マチョ・イネ」と呼ばれた不思議な人、西江雅之さんが逝去されたそうです。30年以上も前、大学に非常勤講師で来られていた西江先生の授業に出ていたことがあります。東アフリカを研究されて、どこか浮き世離れした日本人離れした不思議な方でした。様々な不思議な逸話にことかかない、じつに不思議な人でした。何冊か本を読むと、ますます、その印象が強まりました。まさかこんなに早く亡くなられるとは。


西江雅之

私が受け入れ教授になっているフルブライト留学生のダニエル・サリヴァンさんが、九州大学留学生センターで行われた「フルブライト九州同窓会」(そういうものがあるのですね!)の総会で、この一年間の研究成果の発表を行いました。戦前から戦後の日本の映画に現れた日本の家族像、とりわけ父親像に注目して、日本の家族の変容を跡づける、という内容です。とりわけ「トウキョウ・ソナタ」や「そして父になる」などの新しい父親像に注目していました。発表のあとは4歳になるお子さんやご主人も参加してのレセプション。息子さんは大興奮で元気に走り回っていました。


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宮崎県、五ヶ瀬中等教育学校のスーパーグローバル・ハイスクール事業のアドバイザーとして協力しています。
先週、これまでの一年間のご報告とこれからの一年間の計画のご相談に、教頭はじめ3名の教諭の方々がいらっしゃいました。
国の事業であり、県の教育委員会を通じて国と相談しながら事業を進めるというなかなか難しいスキームの中で、一生懸命やられています。
いろいろとアドバイスさせていただいたあと、安立ゼミにご参加いただきました。五ヶ瀬中等教育学校の「スーパーグローバルハイスクール(SGH)事業」の紹介をしていただき、学生たちがそれぞれに感想や意見を述べて、有益な交流ができました。秋には、生徒さんたちも、安立ゼミにご参加に来られるとのこと、楽しみですね。
http://gokase-h.com/


五ヶ瀬中等教育学校

私の生まれ故郷、群馬県安中市の磯部温泉の「足湯」の近くで、道にタマムシが落ちているのを見つけました。弱っていて上をむいてもがいていましたが、生きていました。生きているタマムシを見つけたのは、これが2匹目です。前回はもう20年くらい前になります。タマムシ、とくに生きているタマムシを、見たことがあるでしょうか。この世のものは思われない、宝石以上の美しさです。生きているということの美、というものを感じさせてくれます。日本の昆虫で、もっとも美しいもののひとつでしょう。


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先週の土曜日、NPO法人市民福祉団体全国協議会の総会とシンポジウムに出席したあと、群馬県の父母の見舞いに行きました。生まれ故郷の磯部温泉は、いまは典型的なシャッター通り、ゴーストタウン寸前というようなありさまです。いま、全国の地方を襲っている「地方消滅」が、生まれ故郷でも如実に起こっているということですね。30年前には想像も出来なかったことです。


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昨日の安立ゼミでは、月末の第二回柳川フィールドワークへ向けて、ジブリ学術ライブラリーの高畑勲監督の『柳川堀割物語』を1時間ほど見ました。これは、宮崎駿監督の『ナウシカ』の成功で入った収入をつぎ込んで(消尽して)作られたドキュメンタリー作品です。
生活排水によってどぶ川のようになってしまったかつての柳川。下水や暗渠に埋め立てられてしまう危機に瀕していた30年以上前の柳川の姿・・・そこから堀割の埋め立てを食い止めて、昔ながらの水郷風景をV字回復させた柳川市のカリスマ職員、広松伝さんの姿には何回みても胸を打たれますね。


柳川堀割物語

先週末、東京で学会の委員会ミーティングがあり、その後、神楽坂のイタリアンで友人の出版記念の会に参加している最中に地震がありました。ゆっくり大きく揺れました。その時はさほど騒がしくもならなかったのですが、その後、11時すぎて京急に乗ろうとしたら電車がこない。ようやく来た車両はものすごい混みようでした。ひさしぶりにこんなにぎゅうぎゅうづめの電車にもまれました。でも、東京は怖い。地震があったりすると、ほんとうに怖い。


地震