渋谷毅の訃報が流れた。享年86という。渋谷毅といえば浅川マキの本『幻の男たち』(講談社、1985)を思い出す。この本のハイライトは「デュオ」という章の渋谷毅だろう。マキがライブを聴きに行くと「しぶやん、ウェイク・アップ」──ライブ途中で歌手が大声をだす。ピアニストが眠ってしまったのだ。このインパクトあるシーンとともに渋谷毅の名前が脳裏に刻まれた。やがて浅川マキのライブで渋谷毅の演奏には何度も出会うことになるのだが、この「しぶやん、ウェイク・アップ」が忘れられない。そして晩年の浅川マキのライブにはかならず渋谷さんがピアノを弾いていた。
書庫をさがすと浅川マキ『幻の男たち』があった。なんと浅川マキのサイン入り。85年の12月、池袋文芸坐地下「ル・ピリエ」でのコンサート会場で購入している。この本には柄谷行人と浅川マキの不思議な対談が付録としてついている。これも1980年代を蜃気楼のように思い出させる。















(この緑色のコテージに泊まりました)





