From the monthly archives: "3月 2022"

3月最後の日曜日、春の嵐の翌日、福岡は桜が満開でした。この日、博多阪急デパートで開催中の「ツナガル・アートフェスティバル」で、NHK福岡時代からの知り合いのプロデューサーが取り組んでいるEテレ番組「no art, no life」の映写会とトークのイベントがありました。これたった5分の番組なんですが、それを10本立て続けに見みますと改めて圧倒されました。これ、本当にすごいです。あまり知られていないかもしれませんがスゴイ番組です。アール・ブリュットとか、エイブル・アートとか、障がい者のアートとか、いろいろ言われていますが、そんな表現では言い尽くせません。人間のエッセンシャルな部分に直に触れてくるものだと思います。福祉とか支援とか芸術とか、いろいろ意味づけがあるかもしれませんが、私の印象は違います。これは人間そのもののコアな部分に直に問いかけ、挑戦してくるものです。たった5分の中に世界があります。人間の奥深さ、底知れぬ何かが訴えかけてきます。それは人間の可能性ともとれるし、人間の業や棘のようなものも含まれていて深く考えさせられます。この番組、4月からは時間帯を移してEテレで「日曜美術館」の前の5分番組になるそうです。


3月23日は、九州大学の卒業式でした。コロナ禍のうえ、ウクライナでの戦争など、世界的な危機の時代になりました。ほんの数年前のことが、今では夢のようです。入学後、ほとんどの授業がオンラインになるという困難な時代にも関わらず、多くの若者が元気に巣立っていきました。感慨深いものがありますね。


今日は福岡県内のしんがりで九州大学の卒業式です。通常とちがって式典は代表者だけの出席。今年も昨年とおなじく祝賀会も何もない簡素なものになりそうです。社会学研究室では、短時間で卒業証書授与式だけを行う予定です。ほとんどの学生は、四年間に、数回しか会ったことがありません。なんだか考えられないような時代ですね。学生も、感慨も湧かないのでしょうか、それともかえって感慨深いのでしょうか、明日、あってみないと分かりませんね。写真は、いきなり満開になった福岡城内の枝垂れ桜や薄墨桜です。


「ツナガルアートフェスティバルFUKUOKA」が、博多阪急7階イベントホール『ミューズ』で開催されるそうです。NHKで放映された番組「no art, no life 〜令和三年 表現者たちの幻想曲〜」を制作したディレクターと企画プロデューサのトークもあるそうです。この番組、とても面白くて興味深いものでした。上映されるそうです。
https://fact.or.jp/?portfolio=tsunagaru2022&fbclid=IwAR1bWF0H54VI3b1hg0zDESoau7yWzfV-WFaiAVcO2_UhQERH8WNQ8VLbepo


お別れシーズンですね。3月19日、東京大学社会学の佐藤健二さんの最終講義をオンラインで聴きました。佐藤さん、群馬の高崎高校の一年先輩にあたる人なんですが、その後、大学も大学院もずっと社会学の先輩で、頭が上がりません。先輩というより先達といったほうが良いでしょうか。昨日の最終講義も湿っぽいところ皆無の余裕すら感じさせるもので、自家製のものすごい仕事一覧の冊子も作られていました。ハッピーリタイアメントを絵に描いたような最終講義で、いささか羨望を禁じ得ません。


3月5日の福岡ユネスコ協会アジア文化講演会の終了後に、伝説的な劇団・黒テントの創始者・佐藤信さんから、いろいろなお話をうかがいました。福岡でも何度も公演されたそうです。公園で公演、まるでジョークみたいですが、公演場所ときめた公園の近くの喫茶店でじーっと網をはって一日中待っているのだそうです。そしてそれらしき人が来たら主催者のひとりとなってくれるよう説得にあたるのだそうです。そうやってチケットの販売や様々な協力をお願いするのだそうです。アングラ的ですねー。そうやって20年間に全国120ヶ所で黒テントを張っての野外公演をしてきたのだそうです。すごいですね。1960年代から70年代というのは、そういう文化的な熱気というものがあったのですね。