From the monthly archives: "10月 2023"

ちょうど一週間前、西日本新聞に寄稿した「戦争の時代に宮崎アニメを読む」というエッセイをもとに、N学園大学の授業で話してみました。
・「君たちはどう生きるか」という問いは、いったい誰が、誰に、問いかけている問いなのか。どんな時代に発せられた「問い」なのか。
・今回のイスラエルとハマスのように、戦争が始まってしまえば、もう考えることは出来なくなってしまう。「君たちはどう生きるか」という問いそのものが不可能になってしまう。
・「おじさん」や「大叔父」に問いかけられて優等生的に考えたり、答えるのではない、「別の道」はあるだろうか。
こんなことも話してみましたが……「正解」などない「問い」ですね。



 

フランスから嬉しい便りがとどきました。映画「君たちはどう生きるか」、もうすぐフランスでも公開だそうです。
「戦争の時代に宮崎アニメを読む」という西日本新聞に書いた私のエッセイ、さっそく読んで下さり、「踏み留まる。他の解決を見つける、まさに、今必要なメッセージですね!」とエールを送っていただきました。阪神淡路大震災のあと神戸のNPOで大活躍されていた方です。フランスに移住されたあとも、こうやって交流が続き、書いたものを読んでいただけるのは、とてもありがたいことです。


2023年10月24日の西日本新聞・朝刊・文化欄に、私が寄稿した「戦争の時代に宮崎アニメを読む」と題したエッセイが掲載されました。これは宮崎駿監督の新作「君たちはどう生きるか」を社会学者はどう見るか──というテーマで、今あらたな戦争の時代に直面して、吉野源三郎の「君たちはどう生きるか(1937)」や「千と千尋の神隠し(2001)」と比較しながら、今度の新作の意味を考えています。


大学の授業で宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の話をしても、知らない、読んだことがない、という学生が多いのに驚きます。でも、私だってどこまで知っているか怪しいものです。昨晩は福岡市科学館プラネタリウムで「銀河鉄道の夜」を見ました。「銀河鉄道」の旅が、どこから始まり、どこで終わるか。この作品が書かれた百年前の宇宙観はどうだったのか。なかなか興味深いものでした(でも前半は小学校の理科の授業みたいでした。子どもからお年寄りまで予約で満席、多世代向けの番組だったから仕方なかったのかもしれませんが)。もっとプラネタリウムの特性を生かして映像と空間の広がり、そして宇宙の神秘とそこへの宮沢賢治の没入を伝えてくたら良かったのになぁとちょっと残念。