From the monthly archives: "5月 2014"
ミュンヘン工科大学からの短期留学生ニナ・サンダースさん
ミュンヘン工科大学からの短期留学生ニナ・サンダースさんを指導しています。テーマがスポーツマネジメントということで、私とはほとんど縁もゆかりもないようなテーマなんですが・・・市役所職員のIさんが奮闘努力してくれて、なんと、アビスパ福岡の社長にインタビューすることができました。日本語もほとんど出来ないままアビスパに出かけていって取材できるのも、怖い物知らずの若い留学生の特権ですね(これまたIさんが通訳までかってでてくれたおかげなんですが)。でも、みるみる伸びていく若者を見るのは、じつに楽しいものです。日本の学生はあれこれ心配ばかりがさきにたって現実社会に出て行くのは及び腰になりがちですが、留学生はどんどん突進していきますからね。
神ノ島、「沖ノ島」
海の正倉院といわれ、世界遺産の暫定リストに登録されている、福岡・宗像沖の「沖ノ島」。先日、東北からの帰途、飛行機がこの島の上空で旋回しました。特徴的な島の姿が、くっきりと見えました。猫の耳のようにふたつの突起が見えるのですね。
沖ノ島は「島全体が御神体とされ、今でも女人禁制の伝統を守っている。また、男性でも毎年5月27日外の上陸は基本的に許されず、その数も200人程度に制限されている。無人島であるが、現在は沖津宮の神官が交代で派遣され、常時滞在している」(ウィキペディア)そうです。
「坂の上の雲」で有名なバルチック艦隊との日本海海戦を、この島の神官に使えていた人物が、樹にのぼってその一部始終を目撃したそうですね。
九州大学文学部就任講義
九州大学文学部の社会学・地域福祉社会学(正確には大学院人間環境学研究院人間共生システム専攻共生社会学講座)に山下亜紀子准教授が着任され、同期に着任された他の先生とともに恒例の「九州大学文学部就任講義」が行われました。
いろいろとうるさがたの多い先生方の前で「講義」をするというのも、たいへんなプレッシャーだったでしょうね。
小笠原弘幸 准教授(イスラム文明)「オスマン帝国の歴史教科書と近代」
山下亜紀子 准教授(社会学)「社会学徒として学んできたこと――地域における高齢者福祉、子育て支援、そして障害児の家族支援――」
武田利勝准教授(独文学)〈わが哲学は諸断片の体系である〉――フリードリヒ・シュレーゲルの実験、あるいは超越論的哲学」。
「銀河鉄道の夜」のプリオシン海岸
「銀河鉄道の夜」のプリオシン海岸
花巻に「イギリス海岸」があることは知っていました。近年は上流にダムが出来たので、なかなか見ることができなくなったということも聞いていました。しかし、この「イギリス海岸」が、まさに「銀河鉄道の夜」のプリオシン海岸であることは、うかつなことに、ここに来るまで知りませんでした。この「イギリス海岸」こそが「プリオシン海岸」のモデルだったのです。新鮮な驚きでした。大きなクルミの木もありました。賢治は、ここで、クルミの化石などを拾ったのです。「銀河鉄道の夜」にもクルミの話があります。百万年以上前に、ここが、海辺の渚だったことを、はるかに感じさせる風景でした。
追伸
もう20年近く、イギリス海岸は、現れていないらしいです。上流のいろんなダムの放水量を調節しても、なかなかうまくいかないらしいですね。
宮澤賢治とマグノリア
宮澤賢治が好きだったというマグノリア(日本ではモクレン)の花が満開でした。賢治ゆかりの岩手大学農学部正門ちかくの民家のお庭でした。
マグノリアについては、見田宗介先生が『宮沢賢治─存在の祭りの中へ』(『定本 見田宗介著作集 Ⅸ』に収められた底本解題)でとても印象的なことを書かれています。見田先生がこの本を出版されたときに、賢治ゆかりの種山が原からマグノリアの苗を八王子のセミナーハウスに植樹された、しかし、20年近くも花は咲かなかった。それが311のあと、突如、花咲いたという。このマグノリアという花は、何かの生存の危機を感知したときに花咲くという説があって、これはそうだったのかもしれない・・・というエピソードが記されています。
花巻「やぶや」の「宮澤賢治セット」
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「なめとこ山の熊」鉛温泉・藤三旅館
宮澤賢治の「なめとこ山の熊」は、このあたりがモデルとされています。
花巻から川を遡ってずんずん進む。やがて宮澤賢治が父親に連れられてよく来たという「大沢温泉」があります(この温泉にも渓流沿いのすてきな露天風呂があります)。そこをさらに遡ってずんずん進む。やがてさびしい何もないような山道になるが、さらにずんずん進む。なだらかな山の連なる風景を30分ほどドライブすると、やがて、あらわれるのが「鉛温泉」。ここに「藤三旅館」というのがあり、ここも有名な湯治場です。この旅館の「白猿の湯」は、なんというか突出しています。なにしろ花崗岩をくりぬいた1.2メートルもある深い深い湯場なんです。大人でも、あやうく溺れそうになるくらい深い。この温泉、宮澤賢治も岩石採集などで、よく来ていて、やがてこのあたりが「なめとこ山の熊」のモデルになったと言われているそうです。
今回の東北の旅、この藤三旅館へ立ち寄り湯をしました。ディープな宿です。お薦めです。
インフォメーション
安立清史(「超高齢社会研究所」代表、九州大学名誉教授)のホームページとブログです──新著『福祉の起原』(弦書房)が出版されました。これまで『超高齢社会の乗り越え方』、『21世紀の《想像の共同体》─ボランティアの原理 非営利の可能性』、『ボランティアと有償ボランティア』(弦書房)、『福祉NPOの社会学』(東京大学出版会)などの著書があります。「超高齢社会研究所」代表をつとめています。https://aging-society.jp/ 参照
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