From the monthly archives: "9月 2021"

そろりと開館しはじめた図書館、その中にある映画館でひっそりとマイナーな映画を観ています。まずTVで放映されたり、DVDになったりすることはありそうもない映画たち。渋いというか、DVDだっらぜったい早送りしてしまう、あるいは数分して見るのを止めてしまうに違いないような映画たち。でも、映画館だと観つづけることになります。これは不思議な体験です。暗い空間の中で自由が制限されて2時間近く、いわば望んで強制されながら観つづけるからです。でも、考えてみると、社会の中にで「生きる」ということは、映画館の中のように自由でありながら強制されて同じ物語を見ることなのか──とりわけ「政治」の世界の物語を強制的に見させられることなのか、とも思わせます。現実世界では、つまんないからといって席にを立つわけにはいかないけれど……映画を観る経験は、なかなかに考えさせることの多い含蓄の深い経験のように思います。(写真は秋空に変わりつつある夕焼けです)


昨日の満月直前のハーベストムーンです。手持ちのコンパクトデジカメなのに、パソコンで拡大すると月のウサギや、飛び始めたコウモリなども映っていてちょっとびっくりでした。中秋の名月は、必ずしも満月なるとは限らないそうです。昔は月の満ち欠けの中間点にあたる15日が満月であると考えられていたからで、実際は月の公転軌道は楕円形でずれが生じるからだそうです。2021年は、8年ぶりに中秋の名月が満月になったそうですが、残念ながら今夜の福岡は曇天その後、雨天になっています。


昨日(9月17日)は観測史上はじめて福岡に台風が上陸したそうです。じっと自宅にこもっていましたが、アマゾンプライムで偶然見つけた「太宰治短編小説集」というTV番組がすばらしい。太宰治の短編集を、満島ひかり、森山未來など、個性豊かな出演者が新進気鋭のクリエーターとコラボし映像化したとあります。「トカトントン」は野田秀樹の朗読です。「走れメロス」は森山未來。そのほか「女生徒」「きりぎりす」「グッド・バイ」など、見はじめたら止まらなくなって全部見てしまいました。これはなかなかの傑作です。トカトントン、走れメロス──昔読んだはずなのにディテール全然覚えていない。こんな物語だったのか!


近くの公園のベンチに、こんな張り紙を見つけました。これを見たとき小さな絶望を感じました。苦情を言うことは悪いとは言えません。でも思うのです。こういう苦情を言う人は、今の政府や政治家にも、同じように苦情を言うだろうか、と。私の経験では、小さなことで怒る人は、もっと大きな問題になると、どうもそうではない。不思議です、謎です。どうして公園での歌や口笛に我慢できない人が、今の政治に寛容になれるのか。


911の日です。21世紀になっていきなりのガツーンというショック。21世紀はとんでもない世紀になるぞ、という予告だったのでしょうか。その後、そのとおりのマイナス世界になってきています。「2001年宇宙の旅」どころか(あの映画もコンピュータの反乱というある種のディストピア映画だったのですが)どんどん未来が見えなくなる一方ですね。相変わらず昔と同じなのは政治の世界だけかな。空は秋へと急速に移り変わっています。


彼岸花が満開です。福岡は緊急事態宣言延長ですが、そんな中でも十月からの秋学期の授業が迫ってきました。全学の1年生向けの「社会学入門」も残念ながらオンライン授業になります。今年は、受講希望者が350名ほどになったので200名に受講制限してもらいました。毎年一年生で満員になった大講義室に入っていくときのスリリングな感覚──それがオンラインだと、顔も見えなくて残念です。
緊張感あふれる1年生に向かって、こちらも最大限テンションを上げて授業するのが、大学での最大の楽しみのひとつでした。多少大げさに言うと、大講義室に入っていく時の感覚──あれはまさに「ボヘミアン・ラプソディ」そのものなのですね。


「図書新聞」の最新号にも、拙著『21世紀の《想像の共同体》─ボランティアの原理 非営利の可能性』(弦書房)の書評が掲載されました。金城学院大学の朝倉美江さんによる、詳細な紹介と要約のうえでの書評です。しっかり読んで下さって、ありがたいことです。前著『超高齢社会の乗り越え方』に比べて、今回の著書は、書名がふわっとした感じだったせいか、なかなか書評していただけなかったのですが、ようやく取り上げていただけて、うれしいことです。


あっという間に夏がもすぎさっていきます。今年は大雨など異常気象つづきでした。図書館が閉鎖なので、気分転換に最近は近くの公園のベンチなどで原稿執筆しているのですが、日陰でも着実に日焼けすることを知りました。今年は前半だけで相当な分量の原稿を書いたのですが、読み返すと迷いがでるばかりです。書いては消し、書き直しては捨てるの毎日でストレスがたまります。
昔はなかった白い彼岸花が咲いています。もうすぐ終わりそうです。


「日本農業新聞」の8月29日版に、私の著書『21世紀の《想像の共同体》─ボランティアの原理 非営利の可能性』(弦書房)の紹介が掲載されています。思えば、昨年の今頃、執筆にとりかかった本でした。ずっと図書館にこもって書きました。今年は、図書館すらも全面閉鎖になっています。まさか一年たって、もっと事態が悪化しているとは夢にも思いませんでした。


いつまで続くぬかるみぞ──緊急事態宣言発令で、もう一ヶ月以上図書館も市民プールも閉鎖。夏の間に一冊ぶん原稿を仕上げる予定が大幅に狂いました。泳げなくなって体力もがたおち。おまけにかつてない大雨つづきで行き場がありません。そこで近くの公園にでかけて水辺ちかくのベンチで原稿を書いたりしています。日暮れが早まってきたのを実感します。夏はいつのまにか足早に……