From the monthly archives: "1月 2014"

建築家・工芸家ブルーノ・タウトを高崎に招いたのは井上房一郎さんでした。伝説の怪人です。若き日にフランスに留学して日本ばなれしたセンスを身につけていたそうです。井上工業をついで高崎の建築界に君臨していました。若き日の田中角栄は、なんと、この井上工業に勤めていたのです。さて、この井上さんの自宅が、いま、高崎市美術館の一部となって公開されています。これまたなんと、フランク・ロイド・ライトのもと帝国ホテル建設の際に来日し、その後日本に留まりモダニズム建築の作品を多く残したアントニン・レーモンドのオフィスを写した日本ばなれした家屋です。ううむ、これは、すごい。玉三郎もこの家にあった舞台で舞ったといいます。こんなものが高崎にあったなんて、知らなかった。


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群馬・高崎は桂離宮など日本文化の美を再発見した建築家ブルーノ・タウトゆかりの地でもあります。彼が滞在して著作を執筆した小さな家がお寺の境内に残っています。先日、東京に出かけた帰りに、父母の見舞いに群馬へ行きました。思い立って、高崎郊外の「少林山達磨寺」に行ってきました。ここにはブルーノ・タウトが滞在した「洗心亭」が残されているのです。このお寺、だるま市で有名で、幼い頃いったことがあるはずですが記憶はさっぱりありません。今回、タウトが絶賛した境内をゆっくりと歩いてみました。彼の業績を紹介するビデオが流れていて、かなりしっかりとタウトの歩みを紹介していました。住職に頼むと「タウト記念室」という部屋も見せてくれました。226事件のあと「日本は戦争がさけられないでしょう。でも日本文化を愛します」と去って行ったタウトの足跡は、深いものがありますね。


洗心亭

洗心亭

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さて、先週末の東京では、今年の「初梅」におめにかかりました。毎年、この時期、T工業大学のキャンパスでは、初梅に出会っているので、今年もどうかな、と思っていたら、やっぱり、咲き始めでしたが、しっかりと、梅が咲いていました。
東京、梅が早いですね。福岡では、まだだと思います。北関東の地元の群馬県などは、梅の開花は3月になるというのに。東京は、冬は天気も良いし、温暖なのでしょうか。


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これは、臘梅ですね。

これは、臘梅ですね。

きょうは福岡ユネスコ協会主催の陣内秀信さんの講演会でした。水辺環境の再生をテーマに、ヴェネツィア、アマルフィ、プーリアなどイタリアの魅力的な水都市から、マルセイユ、ロンドン、ハンブルグ、蘇州、金沢、江戸まで、自在にワープするめくるめくようなお話しでした。


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このところ毎年、この時期に、T工業大学に教えにいっています。オムニバス授業の最終回に呼ばれていくのです。
あいては社会工学科の学生さんたちです。社会工学というのは、理系的でもあり文系的でもあるような学科のようです。まちづくりを目指す学生がいるかと思えば、IT企業をめざしたり金融工学をやる人もいるようです。少人数でしたがもの静かな学生が多いように思いました。はっきりいえば、放っておくと、突っ伏して寝てしまうような人たちでもありました。しかたないですね、年度末で忙しい時期の、夕方の2コマ、自分の専門と関係ない授業に3時間もつきあわされるんですから・・・で、こちらは眼を覚まさせようとして、どんどんヒートアップします。講義というよりは、一回限りなのでむしろ演説会のような感じになりますね。講義では、前回の流れを受けて、次第に発展させたり、反論させたり、起承転結をつける必要がありますが、一回かぎりの「講演」的な授業では、まぁ、一種の「演説」になりがちです。演説だと、話すほうとしては、快感になってくるほどしゃべりまくることになります。話しながら、あ、これは良いこと言ったかな、などと、あとで自分でメモにつけたりしますね。「演説」しながらだと、けっこう良いことを思いついたりするんですよね。錯覚かもしれないけれど。


東京工業大学1

東京工業大学2

東京へのフライトのハイライトは、なんといっても、富士山です。どうしてだろう。何回みても、やっぱりいい。何回みても、やっぱりシャッターを押してしまう。どうしてか、分からないけれど、富士は見飽きない。東京行きのフライトでは、必ず、進行方向左側の窓側を予約します。そして、名古屋上空あたりから、そわそわ、落ち着かない。そして、駿河湾をなめるようにして、まず、北アルプスが白雪をかぶってあらわれる。そしてやがて富士山が見えてきます。富士はいい。


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さて飛行機で、国東半島を通り過ぎると、すぐに山口県をうえに見ながら瀬戸内海の上空です。そして、これが周防大島。かの民俗学者・宮本常一の生まれ育った島です。もう何年になるだろう、もっとも寒い2月にレンタカーをして周防大島を縦断したことがありますが、ここも、懐かしくも美しい日本景でしたね。沖家室島なんか、もう、心ふるえちゃいますね。


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金曜、土曜と、東京に出張してきました。まず、福岡空港を飛び立つと、国東半島がみごと。ドライブしたこともありますが、国東半島はすばらしいところです。とりわけ秋が素晴らしいですね。このまま秋の山の中に迷って迷ってそのまま居続けたいと思うようなところですね。そして、映画「国東物語」を観たのは、いつのことだっただろう。たしか、25年以上前、東京の、岩波ホールだったのではないか。突出した映画でしたね。一度しか観ていないけれど、夢魔のような映画だったような気がする。国東半島を見るたびに、あの映画のことを思い出します。


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先週・金曜日の夜、福岡ユネスコ協会の企画委員会と新年会がありました。今年も盛りだくさんの企画があります。
まず来週1月26日には、法政大学教授で著名なヴェネツィア研究家の陣内秀信さんの講演会「水辺空間の魅力」が九州大学西新プラザであります。ついで2月28日には北九州市・黒崎ひびしんホールで作家・村田喜代子さんの「八幡とあたしの物語」、5月17日には夢野久作生誕125周年にちなんで、ということで四方田犬彦さんによる「世界文学としての夢野久作」が天神・電気ビルで開催される予定です。その他もめじろおしで楽しみですね。


福岡ユネスコ協会

私の場合、夜は仕事をしない(できない)ので、夕食後は、録りためたテレビ番組や映画を観てすごすことが多くなりました(いつのまにか、朝はやくおきて、朝から午前中にかけて考え事や書き物をするという朝型の人間に転換してしまったのです)。
今夜は、昨年11月に放映されたNHK・Eテレの「寺山修司という宇宙 園子温×穂村弘」を観た。この番組には驚いた、すごい、びっくりした、感心した。これは観て良かった。
私も、30年前の大学生時代に、寺山修司と出会っている。当時、可能なかぎり彼の演劇をみたし、晴海の国際見本市会場で上演された劇団天井桟敷の「奴卑訓」では、劇がおわったあと、観客が三々五々いなくなっていく会場を、れいの背広にネクタイでありながら足下はサンダルを履いている、独特な歩き方をして近づいてくる寺山修司本人と50センチの距離ですれちがったりもしている。映画の代表作「田園に死す」だけじゃなくて「トマトケチャップ大帝」のような実験映画なども観てきた。短歌だって「吸いさしの煙草で北を指すときの、北くらければ、望郷ならず」というのは今でも空で言えるし、それだけでなく著作もいくつも読んできたと思う。でも、この番組に出てきた二人ほど、寺山修司体験をつきつめてはこなかった。この番組にでてくる短歌はほとんど知らなかったし、その伝記的な部分も、知ってはいたが、このように解釈できるとまでは、思っていなかった。だから、私にしてみれば、この番組は、不意打ちの、ほとんど30年ぶりの寺山修司とのディープな再会だった。彼の本質(あるいは虚構にして自分を語らぬという語り方)との、あらためての出会いだった。それは新鮮な驚きでもあった。ううむ、これは良い番組でした。一度観ただけでは、見尽くせないような、そういう余韻まである、良い番組だったと思います。


Eテレ 寺山修司