堀辰雄の軽井沢を歩く
いま話題のジブリの「風立ちぬ」。まだ封切り直後なんで、見ていませんが、夏休みに入ったら,息子といっしょに見に行きたいと思います(息子はいやがるかもしれ ませんね)。
ところで「風立ちぬ」といったら軽井沢ではありませんか。ちょうど群馬県のはずれの片田舎の、長野県になる直前あたりが実家で、そこに帰省していますから、福岡にもどるまえに、ちょっと半日くらい軽井沢に出かけて、「風立ちぬ巡り」でもしようかと考えています。
そう考えて調べると、ネットには、いろんなことが出ているもので、「堀辰雄の軽井沢を歩く」という、まさにぴったりのページがあるんですね。この「東京紅團団」そうとうディープなサイトですね。
http://www.tokyo-kurenaidan.com/hori-karuizawa1.htm
社会学を、いかに学ぶか
いよいよ学期末、もうすぐ夏休みですね。
きょうは、2年生の社会学ゼミの最終回です。今学期は、舩橋晴俊さんの『社会学をいかに学ぶか』という小さいけれどぴりりとした教科書を使ってきました。この教科書、「大学生のほとんどは、大学に期待しながら、結局、大学らしい学びができず、「空振り」に終わっている。なぜなのか、どうしたら克服できるか」という壮大な目標をもった教科書なんです。さて、はたして、この意図が、学生に伝わったか、どうか。この「空振り」状況が、クリーンヒットとは言わないまでも、バントヒットか、いいあたりの内野ゴロ、くらいになっただろうか。
「きみたちの感想を、著者にわたすから、この教科書を半年つかってみての、そっちょくな意見を書いてきてほしい」と伝えてあります。それが,きょう提出されるのです。楽しみですね。
座頭市の文脈と日本外交の座頭市シンドローム
座頭市の文脈
学生に日本社会論をいろいろと読ませてレポートを提出させたところ、日本についての客観的で批判的な考察力が弱まってきているのを感じますね。
そこで、加藤周一の座頭市論。
座頭市は、遠くのことは見えないし、分からない。しかし、問題が近くにやってくると、目にもとまらぬ早さで対応する・・・。1971年の米中接近とその後の日中国交回復にふれて、まさに、座頭市的な対応が、日本外交に起こったと論じています。
日本の頭越しに、米中が国交を回復する。すると突如、昨日までとまったく違った方針転換を行って日中国交回復をする。ここには、まさに座頭市的な日本外交の特徴が表れていると言います。遠くのことは、あっしには関係のないことでござんす、という態度。近くによってくると早業で対処する、これこそ「日本外交の座頭市シンドロームである」と。いろいろ考えちゃいますね。
VHSビデオデッキがどこにもない
大学院の授業で、秋田県鷹巣町の高齢者福祉(の失敗)に関するドキュメンタリー映画(羽田澄子監督の「ケアタウンたかのす」に関するドキュメンタリーが何本かあります)を観ることにしました。
さて、ビデオは借りることが出来るのですか、再生装置がない! VHSビデオデッキがどこにもない。学生係に学内を探してもらったのですが、学内の教室には、すでに一台もありません。栄枯盛衰、祇園精舎の鐘の音ですかね。つい最近まで、どの家にも、必ず一台はあったはずなのに・・・
かつては、ソニーのベータも使っていました。なかなか良かったんですが、あっというまに消え去りました。ソニーはプライドは高いが、あきらめも早い。あああ、もう二度と再生できないのかなぁ。レーザーディスクというのも買ってもっていましたが(いまだにある)が、これも化石となっています。
アップルはすでにDVDを消し去っているし、いずれは、ディスクという概念が、消滅していくのでしょうか。
三好春樹の介護論
群馬県の片田舎に暮らしている父母が病院に入院したり老人ホームに入居してから、高齢者介護の問題が、具体的に迫ってきました。
つぎつぎに判断しなければならないのですが、おまかせしていると、どんどん事態が悪化していくような時期がありました。
そこで、あらためて真剣に勉強する必要にかられて、三好春樹の本を、このところずっとまとめて読んでいるところです。
これ、いいですね。
医療や介護の学会と、三好春樹に代表される現場の実践者との間には、大きな乖離と相互不信とがあるとも言われています。
まだ、読み始めて数ヶ月、4,5冊読み始めたばかりなので、あまり大きなことは言えませんが、介護の現場から発する三好春樹らの実践知は、とても読み甲斐のあるものですね。厚生労働省の通達やら介護保険の規則やらよりもまずこうした本を集中して読んでみることが大切な気がします。
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