From the monthly archives: "4月 2023"

東京大学駒場キャンパスで開催されたシンポジウム「見田宗介/真木悠介を継承する」に参加してきました。午前10時から午後6時半まで、なんと延々8時間半にもわたるシンポジウムでした。多くの方々が最後まで残って熱心に聴いておられました。発表内容については──いろいろな評価や意見があるでしょう。でも、これだけの人びとに、これだけの影響を与えた人だったのです。亡くなったあとのほうが、かえって読み返され、影響が深まったかもしれませんね。


UCLAのスティーブン・ウォーレス教授の逝去
30年程まえ、国際交流基金日米センターのフェローとしてUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に留学しました。形としては「留学」ではなく「在外研究」なのですが、アメリカで生活するのは初めてでしたし、英語も不得意だったので、実質は初めての「留学」でした。UCLAの大学院の授業にも出ました。いちばん印象に残っているのが、Steven P. Wallace 教授のジェロントロジーの授業でした。若々しく学生に親切で人気がありました。たしか「ベスト教師オブ・ザ・イヤー」みたいなのにも選ばれていたと思います。授業は大量の文献の予習が「コース・アサインメント」として課されていて、なるほどこれがアメリカ流なのだと思いました。こちらは英語も内容も初心者ですから、オーディットさせていただく形でしたが、渋沢栄一のお孫さんにあたる渋沢田鶴子さんなどはバリバリの院生として勉強されていました。ウォーレス教授は、自宅でホームパーティ開いて院生や留学生を招いたり、クルマでなく自転車で通勤したり、いろいろと印象に残っています。私が帰国後も交流はつづきました。ジェロントロジー学会が返還前の香港で開催された時に、いっしょに香港の夜店を見てまわったり、いろいろな思い出があります。クリスマス状のやりとりは続いていました。それが数年前から途絶えました。今回、アメリカの友人たちに、私が九州大学を退職することを連絡していたら、彼へのメールが行く先不明で戻ってきました。おかしいなと調べてみたら、UCLAのホームページに、彼の逝去の告知がでていました。2021年に亡くなっていたのです。ショックでした。彼は私と同年生まれだったのです。