From the monthly archives: "12月 2020"

今年心に残った言葉──読書の黄金時代は終わった──津野海太郎が鈴木敏夫との対話でそう述べていた。ともに出版界の最前線を牽引してきた人たちの言だから重みがある。出版だけでなく、大学の黄金時代も(とうの昔に)終わっていた、ということになろうか。でも、まぁ、じたばたしても仕方ない。若い人たちにはそれなりの道があるのだろう。こちらはますます紙の本への愛着が深まるばかり。読書はもう紙の本でしか読みたくない。鉛筆片手に書き込みながらでないと読んだ気にならない。村上春樹はラジオ放送でアナログレコードをかけている。何度も聴いたり読んだりするものは、愛着のある形として残っていってほしいものだ。


クリスマスの時期には、どういうわけか「銀河鉄道の夜」のことを考えてしまいます。クリスマスツリーに飾られた星々が「銀河鉄道の夜」との連想を呼び覚ますのでしょうか。オンライン授業で始まり、オンライン授業で終わった今年の最後の授業を、私は「銀河鉄道の夜」の社会学、としました。数週間考えて、これだ、というアイデアをたくさん思いつき、力をいれて話したのですが……空振りでした。そもそも今の学生は宮沢賢治を知りません。「銀河鉄道の夜」を読んだことのある学生は、200人いる受講生の半数以下でした。映画を観たことも、原作を読んだことがない人むけに、けっこう丁寧に(30分かけて)あらすじや解釈を話したのですが、あまり通じませんでした。「力を入れているのは分かりましたが、内容は全然分かりませんでした」という感想がいくつも来て、ちょっとがっかりしました。私の授業は、しばしば(?)空振りするようなのです。とくに力をいれて話した時には……


最新・社会福祉士養成講座・精神保健福祉士養成講座の『社会学と社会システム』が、中央法規から出版されました。
私は、安達先生・西川先生とともに、この巻の編者になっております。ちょうど昨年の今頃に企画会議があり、執筆者への打診をはじめたので、一年がかりの仕事でした。私は編者だけでなく、みずから「第1章第1節 社会学の意義と対象」および「第2章第2節 組織と集団」を執筆しています。
まずは
安立清史・安達正嗣・西川知亨(編著)『社会学と社会システム』(社会福祉士・精神保健福祉士養成講座)を紹介いたします。(安立清史「第1章第1節 社会学の意義と対象」および「第2章第2節 組織と集団」を執筆)