From the monthly archives: "9月 2014"
日本百名山一筆書き走破の旅-グレートトラバース
なんだかトンデモナイ番組なんですが、ついつい、面白くて見てしまう。そういう番組、ありますよね。最近では、NHK・BSプレミアムの「田中ヨーキの日本百名山一筆書き走破の旅-グレートトラバース」がそれです。
いよいよ第4集、富士山とか八ヶ岳とか谷川岳とか、日本の高峰を、余韻もなにもなく、とにかく駆け上がり、駆け下りる。普通のタイムの二分の一、三分の一という超特急。普通は中距離走、長距離走のところを、短距離走にしてしまう。ようするに「弾丸登山」というやつですね。そうやって、南から北まで、弾丸で登山しまくるという痛快な番組なんですが、さすがに疲れたのか、富士山では脱臼するわ、群馬県水上では、谷川岳をまえにダウンして寝込むわという、人間的な姿もでてきました。また、各地の山頂でファンが待ち受けているらしいのですが、そういうファンの身勝手さや、人気に翻弄される自分に嫌気がさしてきたりして、なかなか、人間味も出てきて面白くなってきました。でも、見ながら心配になるのは、こういう弾丸登山を、そのままマネする輩が出てはこないかということ。人ごとながら心配になっちゃいますね。日常的に、プールなどでよく見てるから。最初の20メートルは元気よくバシャバシャおよいで、すぐにくたばってる人。こういう人、危ないんですよ。へたに体力に自信ある人ほど危険なのではないかな。
ジブリのDVD、高畑勲監督(宮崎駿プロデュース)の『柳川堀割物語』
現在、学生たちといっしょに、福岡県柳川市から委託研究をうけて「柳川市若者定住促進会議」のためのフィールドワーク調査を行っています。
そこで、昨晩、ジブリのDVD、高畑勲監督(宮崎駿プロデュース)の『柳川堀割物語』(1987)を見ました。
これは、なんという映画でしょうか。3時間近い長編で、映画であって映画でなく、記録映画なのか、ドキュメンタリーなのか、とにかく突出した映画です。
ちょっと似たかんじの映画といえば、もう30年以上もまえの、小川伸介監督の『ニッポン国古屋敷村』(1982)でしょうか。
自然と科学のドキュメンタリー&人間ドラマ、という仕立て方、そして長時間のゆっくりじっくりした長回し、似てますね。
さて、この映画で、私ははじめて、柳川の堀割が、なぜ、このような複雑な堀割であるのか、はじめて科学的・歴史的な観点から理解できました。堀割には、理由があったんですね。
また、時代の流れで、堀割が、一時期ひどくすたれて、ゴミ捨て場のようになって、あやうくコンクリートで埋め尽くされそうな危機があったこと、そこに忽然と現れた一人の水郷を愛する柳川市役所マンがいたこと、そして柳川市民が立ち上がって、V字回復してきたこと・・・これは、最近フィールドワークした事例でいうと、静岡県三島市の「源兵衛川」の事例、グランドワーク三島ととっても似ていますね。そして三島よりも柳川のほうが、ずっと早かったのだ。
これは、人口減少・衰退という現在の柳川を、もういちどV字回復させるうえでも、とても参考になるドキュメンタリー映画だと思います。
英語の発音───その2
前回、サリヴァン/スリバン先生の発音についてふれました。今回は、福岡アジア文化賞のセレモニーでのエズラ・ヴォーゲルさんの話で感じたこと。
ヴォーゲルさんはスピーチで「ハバダイ」と言いました。
え、なんのこと? 一瞬分からなかったが、それは「ハーバード大学」のことでした。
ふうん、日本語だとハーバード大学は、米語に近づくと、ハバダイ、なのか。みょうに納得しました。
また、西南学院大学の学長さん(米国出身)はヴォーゲル先生のことを「ヴォーグル」先生と紹介しました。
なるほどヴォーゲルでなく「ヴォーグル」のほうが米国での発音に近いのだな。ベーグルとかグーグルみたいだけど。
日本語だとできるだけ母音をいれるのだけど、米語だとアクセントを重視して、母音を省略するのかな。
もひとつ。今日、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)といいますが、明治時代には「ヘルン」と言われていたらしい。
さらに「オードリー・ヘップバーン」も綴りをみると「ヘボン」式ローマ字の「ヘボン」ですね。
発音は、奥深い。ううむ。
英語の発音───サリヴァン先生とスリバン先生
サリヴァン先生
サリヴァン先生というのは、日本人になじみのある名前ですね。
もちろん、ヘレン・ケラーの先生、アン・サリヴァン先生です
さて、この10月から、アメリカはボストンからフルブライト留学生としてサリヴァンさんが私のところにやってくることになり、先日、メールが届きました。
その自己紹介には「スリバン・ダニエルと申します」とありました。
ふうん、より英語発音に近いのは「スリバン」さんなのか。
でも、日本ではヘレン・ケラーが来日した、もう80年以上も前から、サリヴァン先生だからなぁ。
日本人の発音しやすい音と、じっさいの英語の音との顕著な違いが、ここにはありますね。
さて、スリバンさん、と言うべきか、サリヴァンさん、というべきか。
(ちなみにウィキペディアによると「サリバン(Sullivan)は、英語圏の姓、地名など。アイルランド語由来で「小さくて黒い目」の意味がある。」)
宮崎県五ヶ瀬中等教育学校でのレクチャー
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宮崎県五ヶ瀬中等教育学校「スーパーグローバル・ハイスクール」プロジェクトでのレクチャーの模様です。
(西日本新聞の記事は、削除しました)
宮崎県五ヶ瀬中等教育学校「スーパーグローバル・ハイスクール」プロジェクトで講演しました
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「ぎっくり腰」後遺症の不安をかかえつつ、学生・院生3名とともに泊まりがけで宮崎県五ヶ瀬町の「五ヶ瀬中等教育学校」に行ってきました。
ここは、宮崎県と熊本県の県境の山奥にありながら文科省の「スーパーグローバル・ハイスクール」に指定された注目校です。全国初の公立の中高一貫校しかも6年間、全員全寮制の学校なのだそうです。すごいですね。ここの4年生(高一)に向けて講演と交流を行いました。
五ヶ瀬中等教育学校は「スーパーグローバル・ハイスクール」のテーマのひとつに「高齢社会」を取り上げていて、協力を依頼されたのです。
私は、まず足下の五ヶ瀬を、どうしたら若者にとっての「地元」にしていけるか、その第一歩としてハワイのイオラニ高校などが取り組んでいる「ワンマイル・プロジェクト」の五ヶ瀬版をやってみませんかと提案しました。半径1,5キロ四方に住まうお年寄りを若者が訪問して、上からメセンでなく、若者メセンで、高齢者の生活やニーズを把握するというプロジェクトです。その成果をもって、ハワイの高校生と、経験交流、研究交流を行う、さらにその成果を、「地元」の高齢者や役場、福祉や医療関係者を前に報告して、若者からの政策提言を行う・・・というようなちょっと夢物語的な、しかし絶対にこれから必要かつ実現可能なプランとして提案してみました。生徒の皆さん、いかがだったでしょうか。
教員の方々もみなさん熱意にあふれていて素晴らしいなぁと思いました。これからうまく協力・連携が進むと良いですね。
夏の利賀村───SCOTサマーシーズン2014
夏の利賀村───SCOTサマーシーズン2014
今年もはるばる富山県の山奥、利賀村に行ってきました。
鈴木忠志さんの早稲田小劇場が利賀村に移って40年になるそうです。毎夏、この利賀村に全国、いや世界から満員の観客がやってくるのだから、すごいことです。
今年も、昨年以上に超満席でした。民宿に宿泊したのですが、大部屋に6名の雑魚寝状態。どこの民宿も満員なんですね。
さて、今年のハイライトは「トロイアの女」そして夜の野外劇場の出し物は「シラノ・ド・ベルジュラック」。
凄かったですね。素晴らしかったですね。演劇の醍醐味をこれほど深く感じさせてくれるところは他にありません。
利賀大山房での「トロイアの女」も迫力だったけれど、磯崎新設計のギリシアの野外劇場のような夜の野外劇場の爽快感、壮大感は喩えようもありません。
今年も野外劇場は雨に降られましたが超 満席ぎゅうぎゅう詰めの野外劇場は、みな最後まで息を呑んで見守っていました。
そして壮大な花火で終わり、舞台上で鏡開き。これも恒例ですね。そしてはるばる駆けつけた磯崎新さんや富山県知事らによる酒宴でした。
翌朝のシンポジウム(大澤真幸、水野和夫、白井聡)も充実した内容でしたね。大澤真幸さんの「シラノ・ド・ベルジュラック」解説には、おもわずおおっと唸りました。私は午後にもういちど「トロイアの女」を見て帰りましたが、余韻が残りましたね。
インフォメーション
安立清史(「超高齢社会研究所」代表、九州大学名誉教授)のホームページとブログです──新著『福祉の起原』(弦書房)が出版されました。これまで『超高齢社会の乗り越え方』、『21世紀の《想像の共同体》─ボランティアの原理 非営利の可能性』、『ボランティアと有償ボランティア』(弦書房)、『福祉NPOの社会学』(東京大学出版会)などの著書があります。「超高齢社会研究所」代表をつとめています。https://aging-society.jp/ 参照
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