映画「二十四の瞳」(木下恵介監督,1954)を観る
春四月、桜とともに入学式もおわり新学期が始まりました。毎年4月は、新入生のきらきらした瞳がまぶしい季節ですね。
このタイミングで木下恵介監督・高峰秀子主演の映画「二十四の瞳」を観ました。初見だったのですが、事前のイメージとまるで違う映画でした。これにはびっくりでした。離島の小さな分教場で、小学一年生と新米の女性教員とが繰り広げる心温まる師弟の物語──そういう物語ではありませんでした。教室のエピソードは前半さらっと少しだけ。後半は、もう延々と戦争と貧困で運命を狂わされていく子どもたちへの鎮魂歌のような映画でした。そういえばこの映画が作られた1954年はGHQの占領が終わったすぐあと。「ゴジラ(1954)」が大ヒットした年でもあります。「ゴジラ」も戦争の死者への鎮魂歌のような映画でした。


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