大学での「社会調査法講義」──教科書を用いての講義だけでは、なんとも味気なく、底が浅く、つまんないので、今学期からは、新機軸を実験しはじめました。フィールドワークや質的調査の方法論を教えたあとで、その実践篇として、沢木耕太郎のルポルタージュを読むのです。沢木耕太郎?、あれが社会調査?──そういぶかる人もいるでしょう。でも、これは、れっきとした社会調査です。凡百の社会調査よりずっと社会調査らしいものだと思います。おまけにその文章がいい。聞き取ったことを、考え抜いたうえで、どう文章にしていくか。その実に良いレッスンになると思います。


 

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