座頭市の文脈
学生に日本社会論をいろいろと読ませてレポートを提出させたところ、日本についての客観的で批判的な考察力が弱まってきているのを感じますね。
そこで、加藤周一の座頭市論。
座頭市は、遠くのことは見えないし、分からない。しかし、問題が近くにやってくると、目にもとまらぬ早さで対応する・・・。1971年の米中接近とその後の日中国交回復にふれて、まさに、座頭市的な対応が、日本外交に起こったと論じています。
日本の頭越しに、米中が国交を回復する。すると突如、昨日までとまったく違った方針転換を行って日中国交回復をする。ここには、まさに座頭市的な日本外交の特徴が表れていると言います。遠くのことは、あっしには関係のないことでござんす、という態度。近くによってくると早業で対処する、これこそ「日本外交の座頭市シンドロームである」と。いろいろ考えちゃいますね。


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