映画の「風立ちぬ」と小説の「風立ちぬ」
映画の「風立ちぬ」のメインストーリーは、小説の「風立ちぬ」と、ほとんど無関係な独立したものですね。
やっぱりこれは堀辰雄では、映画として成り立たないんですよね。
だって小説の「風立ちぬ」のほうでは、主人公は、ふたりとも現実から遊離していて、高原にくらす高等遊民みたいで、いまとなっては、誰も感情移入できないでしょうからね。
映画では、貧しいテクノロジーの後進国が、チームワークで支え合いながら、必死になって努力して、その中から一人の天才がすっくと立ち上がってきて、自分や家族を顧みず、私心を捨ててとことん尽くして、何かを達成していくサクセスストーリー・・・
しかしそのサクセスは、ほんとうに何のためのサクセスだったのか。
「私のつくった飛行機は、一機も戻ってきませんでした」というところが泣かせますね。
まるで「坂の上の雲」そっくりのストーリー展開なんですね。


かぜ

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