録画しておいた「井上陽水 ドキュメント”氷の世界40年”~日本初ミリオンセラーアルバムの衝撃とその時代~」(NHK・BSプレミアム)を観た。これは1時間15分息もつかせぬ見ごたえあるものだった。私にとっても「氷の世界」は突出したレコード。日本の歌い手では断然、井上陽水と浅川マキだと思ってきたくらいだ(ちなみに海外では断然、ジョニ・ミッチェル)。このレコードがどのように作られ、ディレクターやアレンジャーとどのような葛藤があったか、歌詞がどのように不条理の世界をあらわしているか、どの曲がいちばん過激に狂っているか、曲順はどう決まったか、様々な関係者が次々に証言していくというスリリングな仕立て。極めつけは陽水と対峙してこのレコードを制作したプロデューサーの多賀栄典が、音声だけの出演で語るところ。死にものぐるいだった陽水の必死さ、そのはりつめた気持ちが、当時の歌声からもひしひしと伝わってきた。・・・ところでこの番組の陽水は、どうしたことだろう。なんだか太ったというより、明らかにむくんでいた。声にも精彩を欠いていたような気がする。ちょっと心配だ。


氷の世界40年

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