映画「モリのいる場所」を観ました。NHKの日曜美術館で「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」展が紹介されたのを見て感心をひきつけられ、国立近代美術館に見に行ったのです。そこに映画のチラシがありました。その時点では映画は公開されていなかったのですが、ようやく福岡でも公開されました。「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」展は回顧展ですから、熊谷守一の人生に沿って、子どもを亡くすなど家庭的な不幸をどう乗り越え、それとともに絵がシンプルになり、どう深まっていったという観点からの展示になっていました。
映画では、そういう側面は捨象されて、「仙人」になったあとの夫婦の姿を活写していました。そういう意味で、絵の回顧展と、まったく重なるところのない、別の熊谷像を、とくに樹木希林の卓越した演技とともに、楽しむ映画ですね。


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