この秋に香川の丸亀市にいくことになりました。そこで録画してあったNHK・BSプレミアムの「新日本風土記」の「うどん」という番組を観ました。中でも一番こころに残ったのが、多度津町の小さな小さなうどん店のこと(画面からは多奈加という店名が見えます)。だいぶ高齢のおじいさんとおばあさんが朝4時に仕込みをはじめて、地元の人むけに一日わずか30食ぶんしか作らないといううどん店です。お客さんは平均10人くらい、1食280円といいますから、これで生活できるのか心配になります。しかも高齢の常連さんは一杯を食べきれない。それを自宅まで届けています。これが香川うどんの心なんでしょうね。香川うどんのディープさを教えられました。
でも、こういうお店、いったい、どうやって見つけて取材したんでしょうか。「新日本風土記」は、地方局に配属された新人ディレクターの「卒論」みたいなものなのだと、制作統括の方がおっしゃっていました。数年間の赴任の間にあたためた企画や素材を、最後に「卒業制作」のようにして作り上げる。もちろ渋谷のNHKの地下に一週間くらい滞在して徹底して編集し、それを多くの関係者がコメントして作り込んでいく……なるほど、NHK地方局の底力すごいです。


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