【社会学入門】で「シン・ゴジラ」の社会学を話しました。それは何か──アメリカによる日本のトリアージ、というテーマではないでしょうか。「シン・ゴジラ」には天皇も皇居も出てこない。その代わり「アメリカ」が出てきます。「ゴジラ(1954)」は、天皇をめざして東京にやってきた。「シン・ゴジラ」は、東京のアメリカつまりアメリカによる日本支配をめざしてやってくる。その結果が、世界を救うための3発めの原爆投下という矛盾にみちた「トリアージ」となる。コロナ禍の時代、トリアージされる側に立った異論や反論は少ない。「シン・ゴジラ」を観ることは、トリアージされる側の無念、トリアージの合理性に負けてしまう悲哀、そういうものを経験することではないでしょうか。


 

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