CareTEX福岡’24 専門セミナーで講演します
「第7回 CareTEX福岡’24」の基調講演者のひとりとして、7/4(木) 13:20~14:20に講演することになりました。テーマは「超高齢社会の乗り越え方~高齢社会へのマイナス思考をプラス思考へ転じるには~」です。
https://fukuoka.caretex.jp/info/conference2024
CareTEX福岡’24 専門セミナーで講演します
「第7回 CareTEX福岡’24」の基調講演者のひとりとして、7/4(木) 13:20~14:20に講演することになりました。テーマは「超高齢社会の乗り越え方~高齢社会へのマイナス思考をプラス思考へ転じるには~」です。
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ジブリ温泉(その2)
NHKで放映された「 宮﨑駿と青サギと…「君たちはどう生きるか」への道」に出てくる温泉。ひとつは群馬県のS温泉でした。もうひとつは岩手県花巻のO温泉ですね。10年ほど前ですが立ち寄り湯で行ったことがあります。ここは宮沢賢治の父親が浄土真宗の講習会をやっていた温泉ですね。旅館部と湯治部があって、最近では茅葺きの館をギャラリーに改装したようです。そこでなんと「鈴木敏夫とジブリ展2」をやっているようです。10年前には考えられなかったことです。
映画「二十四の瞳」(木下恵介監督,1954)を観る
春四月、桜とともに入学式もおわり新学期が始まりました。毎年4月は、新入生のきらきらした瞳がまぶしい季節ですね。
このタイミングで木下恵介監督・高峰秀子主演の映画「二十四の瞳」を観ました。初見だったのですが、事前のイメージとまるで違う映画でした。これにはびっくりでした。離島の小さな分教場で、小学一年生と新米の女性教員とが繰り広げる心温まる師弟の物語──そういう物語ではありませんでした。教室のエピソードは前半さらっと少しだけ。後半は、もう延々と戦争と貧困で運命を狂わされていく子どもたちへの鎮魂歌のような映画でした。そういえばこの映画が作られた1954年はGHQの占領が終わったすぐあと。「ゴジラ(1954)」が大ヒットした年でもあります。「ゴジラ」も戦争の死者への鎮魂歌のような映画でした。
録画しておいたNHKの「 宮﨑駿と青サギと…「君たちはどう生きるか」への道」という2時間番組をみおわりました。半ばまできて、あっ、と声がでました。宮崎さんや鈴木さんたちジブリのスタッフが温泉にいくシーンが全体の中に二カ所あるのですが、そのひとつが、群馬県のS温泉です。この温泉、昨年行ったのです。そして、たしかに、宿に宮崎さんの色紙が飾られていたのを覚えています。その時は、まだ新作「君たちはどう生きるか」が公開される前だったので、ふうーん、宮崎駿さんも来たんだ、なにしろこの温泉「千と千尋の神隠し」にそっくりだからなぁ、などとかるく思っていたのです。じつは「君たちはどう生きるか」で苦闘しているさなかにきていたのですね。
「無法松の一生」を観る
このところ昭和30年代の日本映画を続けて観ています。シネラ(福岡市総合図書)が「高峰秀子と京マチ子の特集」をしているのです。こうして「無法松の一生」「雨月物語」「喜びも悲しみも幾年月」「浮雲」「24の瞳」などを観ました。昭和30年代というと戦後10年たらず。私が生まれた頃の時代です。まだ町には戦争の爪痕と貧困がありました。これらの映画を観ながら、ひとつ感あり。ストーリーの構造がとっても「古い」こと。無法松なんか「車夫」ですからね。車夫なのに人物も行動も立派である、というところで映画が成立している。「喜びも悲しみも幾年月」だと「灯台守」です。このあたりの物語の成立背景がいかにも古い。しかも古いだけではない。偏見や差別とまでは言わないが、平凡な庶民にもこんな立派な生き方をした人たちがいる……というような「上から目線」で見下しながら持ち上げて評価するような、そんな脚本家の視点が、現在からみるとどうしても気になります。やはり時代の制約なのでしょうか。それにしても、こんなに古い白黒映画に観客がいっぱい。「みんな老人ばかりだな」と隣の人が席を立つとき、ぽつりと言いました。
新著『福祉社会学の思考』(弦書房)を紹介します。
第1部「福祉社会学・再考」で、これまでの30数年の私の福祉社会学の歩みをふり返っています。私はいったい何をしてきたのだろうかと自問自答しながら。
第2部「福祉社会学の思考」は、これまでの30年間の習作の中からいくつかを収録しました。テーマの中心は「超高齢社会」という意識の中にひそむエイジズムです。また制度的福祉ではない自発的福祉、エイジズムに対抗した米国の高齢者NPO、米国の「Non Profit 」と日本の「公益法人」との違い、そして「非営利」の可能性でした。
第3部「福祉社会学の課題」では、宮崎駿監督の新作映画「君たちはどう生きるか」に触発されて、主人公「眞人」の中にひそむ悪意(悪ではない悪意)というテーマに挑みました。考えてみると「眞人」という名前は「福祉」に似ています。そして副田義也の福祉社会学は、まさに「社会福祉の中から生まれてくる悪意」をテーマの中心(のひとつ)に据えていました。最後には「アール・ブリュット」に触発されて、最低限の生活保障としての社会福祉が、暗黙のうちに見えない天井となっていること、それを突破する人たちがいることを紹介しながら「福祉」という枠をどう乗り越えていくかを考えようとしています。
Chat GPTというのが評判ですね。日頃から疑問に思っていることで、Chat GPTにちょっと論争をふっかけてみました。
①「クローズ・アップ」という表現は、へんですね。閉じてアップする?近寄って詳しくみるなら「クロース・アップ」が正しいのではないですか。②キャリア教育というのはへんですね。それでは「運搬教育」ではないですか。キャリアじゃなくて「カリア教育」が正しいのでは?③カメラで接写レンズのことを「マクロ・レンズ」というのもへんですね。たとえば「マクロ経済学」は大きなスコープとスパンで見る経済学ですよね。「マイクロ・レンズ」ではないですか等々。こう議論をふっかけてみると、Chat GPTはどう答えるか。なかなかうがったことを答えてきます。理屈だけではない答え方になっていて、納得はできないけれど、面白いですね。考えさせられますね。
当初は全国トップを切っての開花予想が出ていた福岡ですが、予想より1週間以上、昨年よりも9日もおそく、今日ようやぐソメイヨシノの開花宣言がでました。何しろこのところ寒かったですからね。近くの気象台にある開花宣言の標準木を観に行きましたが、わずか4輪か5輪ほどが咲き始めていたにすぎませんでした。でも、黒田如水の隠居跡の滝桜や、福岡城下の垂れ桜の数本はすでに満開でした。
私の新著『福祉社会学の思考』(弦書房)がもうすぐ出版されます。
はじめに
第1部 福祉社会学・再考
第2部 福祉社会学の思考
第3部 福祉社会学の課題
福祉への問い、福祉からの問い
毎回、自己ベストの更新をめざして書いているつもりなのですが──はたして今回はどう評価されるでしょうか。
福岡市でACAP(Active Aging Consortium in Asia Pacific)のセミナーとスタディー・ツアーが始まりました。今回は7カ国から40人が参加しているそうです。アクティブ・エイジングをめざした国際交流と学びあいのこの集まりも、もう20年になります。第1回目は山口県の周防大島で始まりました。ハワイやインドネシア、釜山や香港など、各地を訪問して学びあいました。韓国、インドネシア、タイ、ハワイ大学など、懐かしい友人たちと再会しました。
友人夫妻がバルセロナに行くという。それで思い出した。私も十数年も前にバルセロナからレンタカーをしてカタルーニャ地方のロマネスク寺院をひとりで旅したことがあったのだ。あれはうつつか幻か。あんな経験が出来たことが今となっては信じられない。なんだか夢のような経験で、あまりに非現実的な経験だったせいかもしれない。
バルセロナには学会で行った。そして市内のガウディ建築を見て回った。その後レンタカーをしてカタルーニャの山岳地方へ向かったのだ。目的は山奥のロマネスク寺院、そしていくつかのパラドールに宿泊することだった。
これはその場での急な思いつきではなく、私にとっての旅の先達であった高坂知英の旅をなぞることでもあった。高坂知英は中公新書の『ひとり旅の楽しみ』で有名な著者だが、彼は晩年、スペインのパラドール熱にかかったと印象的に書いていたからだ。前から彼の旅を辿ってみたいと思っていたのでこの機会にそれを実現した。しかし容易なことではなかった。初めての異国をひとりでレンタカーでいくのは大変なのだ。
バルセロナの空港でレンタカーをして、いきなり高速道路に入ったとたん目的地と逆方向へ行ってしまった。こういうことがよくある。まだカーナビなどない時代だ。いちばん小さなマニュアル式のしかも日本と逆の左ハンドルのレンタカーだった。海外でレンタカーをする時には最初と最後が難しい。最初の道を間違えると動揺する。そしてもうひとつ最後にレンタカーをリターンするとき、これもまた難関なのだ。空港ちかくまで来て出発時間が迫っているのに、レンタカーを返却する場所が分からない──そういう時にもっとも焦る、大汗をかく。この2つが海外のレンタカー旅の鬼門なのだ。
バルセロナでもこの2つをしっかり味わった。さて最初の目的地は郊外のモンセラート僧院。ここはワーグナーの楽劇「パルジファル」のモデルとなったという奇岩の山の中にある僧院。そして宿泊は高坂が激賞していたモンセラート近くのパラドール・カルドナ。パラドールはスペイン各地にある古いお城や僧院を改造した国営ホテル。なかでもカルドナは丘の上の中世の城で人気がある。しかしそこに辿りつくのが大変で細いくねくね道を登り、しかも頂上直下の小さな場所に駐車する。へとへとになりつつお城の中の一室に泊まる。しかしこれが素晴らしかった。レストランも雰囲気ばつぐん。これはスペイン中世の異次元世界に迷い込んだ一夜で忘れがたい。しかしあれは本当にあったことなのだろうか。自分ながらいぶかしい。
モンセラート僧院
パラドール・カルドナ