Currently viewing the category: "トップ"

なんだか不思議なシンクロですね。明後日、6月9日から福岡市博物館で「鈴木敏夫とジブリ展」がスタートするようです。この日は、私と「宅老所よりあい」の村瀬孝生さんとのブックトークの日なのですが、私の新著『福祉の起原』はまさにジブリの「千と千尋の神隠し」を導きの糸として始まる本なのです。そしてお相手の村瀬さんの本は『シンクロと自由』です。不思議ですね、シンクロを感じます。
http://bookskubrick.jp/event/6-9 (ブックスキューブリックでのブックトーク)


ブックスキューブリックでのブックトークの詳細が決まりました。http://bookskubrick.jp/event/6-9
『福祉の起原』発売記念 安立清史×村瀬孝生トークセッション
日 時:2023年6月9日(金)19時スタート(18時30分開場)
会 場:カフェ&ギャラリー・キューブリック
   (福岡市東区箱崎1-5-14ブックスキューブリック箱崎店2F・
    JR箱崎駅西口から博多駅方面に徒歩1分)
出 演:安立清史、村瀨孝生
参加費(要予約):税込2,500円(1ドリンク付)

※オンライン配信も行います。
※終演後「サイン会」を開催いたします。
※終演後に同会場で懇親会あり(参加費2000円・軽食と1ドリンク付・要予約)
※参加費は当日受付にてお支払いをお願いします。

▼会場参加ご予約はこちら(税込2,500円・1ドリンク付き)
①Googleフォーム
 https://forms.gle/4ywGwMXu8kMsMErH7
②Peatix
 https://peatix.com/event/3586223/view


日本社会学会の機関誌『社会学評論』(Vol.73 No.4)に、安立清史著『ボランティアと有償ボランティア』(弦書房, 2022)の書評が掲載されました。書評者は上智大学総合人間科学部の藤村正之教授で、見事に論点を紹介・整理していただいたうえで、さらにその先の課題まで好意的に論じられています。この本、これまであまり評判にならなかったのですが、今回の書評で大いに励まされました。


東京大学駒場キャンパスで開催されたシンポジウム「見田宗介/真木悠介を継承する」に参加してきました。午前10時から午後6時半まで、なんと延々8時間半にもわたるシンポジウムでした。多くの方々が最後まで残って熱心に聴いておられました。発表内容については──いろいろな評価や意見があるでしょう。でも、これだけの人びとに、これだけの影響を与えた人だったのです。亡くなったあとのほうが、かえって読み返され、影響が深まったかもしれませんね。


UCLAのスティーブン・ウォーレス教授の逝去
30年程まえ、国際交流基金日米センターのフェローとしてUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に留学しました。形としては「留学」ではなく「在外研究」なのですが、アメリカで生活するのは初めてでしたし、英語も不得意だったので、実質は初めての「留学」でした。UCLAの大学院の授業にも出ました。いちばん印象に残っているのが、Steven P. Wallace 教授のジェロントロジーの授業でした。若々しく学生に親切で人気がありました。たしか「ベスト教師オブ・ザ・イヤー」みたいなのにも選ばれていたと思います。授業は大量の文献の予習が「コース・アサインメント」として課されていて、なるほどこれがアメリカ流なのだと思いました。こちらは英語も内容も初心者ですから、オーディットさせていただく形でしたが、渋沢栄一のお孫さんにあたる渋沢田鶴子さんなどはバリバリの院生として勉強されていました。ウォーレス教授は、自宅でホームパーティ開いて院生や留学生を招いたり、クルマでなく自転車で通勤したり、いろいろと印象に残っています。私が帰国後も交流はつづきました。ジェロントロジー学会が返還前の香港で開催された時に、いっしょに香港の夜店を見てまわったり、いろいろな思い出があります。クリスマス状のやりとりは続いていました。それが数年前から途絶えました。今回、アメリカの友人たちに、私が九州大学を退職することを連絡していたら、彼へのメールが行く先不明で戻ってきました。おかしいなと調べてみたら、UCLAのホームページに、彼の逝去の告知がでていました。2021年に亡くなっていたのです。ショックでした。彼は私と同年生まれだったのです。


九州大学の研究の国際発信を、ということで九州大学広報室のヒトミ・トンプソンさんが取材に来られました。大学のEurekAlert!というところからリリースされるそうです。『超高齢社会の乗り越え方』のお話しをしました。さてどんな記事になるのでしょうか。


令和4年度 定年退職予定教授の最終講義について
人間環境学研究院
安立清史(社会学・福祉社会学 )
2月6日(月)14:50~16:20
伊都キャンパス イースト2号館 D103教室
福祉の起原──「戦争の乗り越え」は可能か

問い合わせ
人文社会科学系事務部総務課庶務第一係
担当:松尾
電話:092-802-6304

新年のご挨拶を申し上げます。はやいもので3月末で26年半勤めた九州大学を退職することになります。それにあわせて新著『福祉の起原』(弦書房)を上梓する予定です。4月からは「超高齢社会研究所」を立ち上げ、微力ながら新たな著作や社会活動を展開していきたいと思っております。1月中には新しいホームページや活動計画などをご紹介できると思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

安立清史(九州大学)

12月11日、東京神田の学士会館で「見田宗介先生を偲ぶ会」がありました。2時間の会で20人ちかくの方々の熱のこもったスピーチがありました。驚きのエピソードや意外な側面など、みなさん違った角度から見田先生を見ておられたのだと思いました。それぞれに尊敬の念がこもったお話しばかりで、とても愛された先生だったのだとあらためて感じ入りました。


2022年12月4日付けの「西日本新聞」くらし面「随筆喫茶」に文章を書かせていただきました。それがジブリ映画「千と千尋の神隠し」を読み解くと「戦争の乗り越えは可能ではないか」と思えてくるというエッセイです。多くの人から反響と励ましのご意見をいただきました。新聞社の担当の方にうかがったところ「紙面の宣伝にもなるから」と転載をこころよく許可していただきました。


西日本新聞(12月4日づけ)くらし面「随筆喫茶」に、「戦争の乗り越えは可能か」というエッセイを書かせてもらいました。「千と千尋の神隠し」の中には、無力な私たちでも「戦争の乗り越え」は可能だ、というメッセージが込められているのではないか。そういう思いをこめてみました。


今年2022年は、見田宗介先生や中井久夫さんが亡くなった年として記憶に残りますが、アジアフォーカス福岡国際映画祭のプログラム・ディレクターでもあった映画評論家・佐藤忠男さんが亡くなった年でもありますね。福岡市総合図書シネラでは「佐藤忠男さんを偲んで」と題して特集やトークイベントがありました。佐藤さんについてのいろいろなエピソードが興味深かったですね。上映されたベトナム映画の「十月になれば」もなかなか良い映画でした。


(ベトナム映画・十月になれば)

3年ぶりにリアルの対面での学会が大阪でありました。この機会にひさしぶりで大阪・中之島の「大阪図書館」(いまは大阪府立図書館)を訪れました。ちょうどガイドツアーがあったので、この図書館の歴史や見所も案内してもらいました。役所がつくったのではなく住友家が作って寄付した図書館なのですね。大阪人の心意気を感じさせます。クラシカルな外観と素敵な内装─開設当初は有料だった等、驚きのエピソードをたくさん聞くことができました。ついでに図書検索で自分の名前を入力すると30件のヒット。うれしかったのは最近出版した3冊の単著のうち2冊が収蔵されていたこと。じつはこの本、ほとんど福岡市総合図書にこもって書いたのですが、福岡の図書館ではこの3冊、一冊も入っていないのです。これはちょっと残念ですね。


日曜美術館でも写真家・藤原新也の特集を放映していましたね。北九州市立美術館からはじまった大回顧展、うかうかしていると終わってしまいまいそうなので、北九州で開催中の「祈り・藤原新也」を観に行ってきました。会期末なので大混雑を予想していましたが、あにはからんや、がらがらです。ゆっくり見れたのはよかったのですが、どうしてなのでしょうね。コロナとウクライナで暗い時代、さらに暗いような写真展から足が遠のく? まさか。でも観に行く価値があると思います。


『「千と千尋の神隠し」から考えるこれからの世界』というお題で香川県丸亀市の文化芸術推進サポーター養成講座でお話しをします。そう思う人はあまりいませんが、この映画のラストシーンは、どうしたら「戦争の乗り越え」が可能か、という重要な問題提起をしていると考えられるのです。また「千と千尋の神隠し」は「風の谷のナウシカ」の世界観を乗り越えようとして創られたと思います。「風の谷のナウシカ」が現在のロシアとウクライナの戦争を思わせるとしたら、「千と千尋の神隠し」は1968年の「プラハの春」を思わせる。いわば戦車による侵略に言葉で対抗したプラハの市民を思わせる──そういうお話しにもふれるかもしれません。