流行から一年おくれで「ボヘミアン・ラプソディ」を観ました。これはなかなか凄い映画ですね。
ところで先日、BS世界のドキュメンタリーで「終わりから始める人生」というのを観ました。これは高校生がホスピス病棟に出かけてケア体験をする授業のドキュメントでした。それまでは何も考えていなそうだった高校生が、このホスピス体験からは何かを深く感じ取ったようでした。「ボヘミアン・ラプソディ」という映画も、じつはこの「終わりから始める人生」と同じ構造を持っているように思いました。たしかに「ライブ・エイド@ウェンブリー」でのフレディ・マーキュリーのパフォーマンスは圧倒的ですが、このパフォーマンスこそ「最後の輝き」であったことがはじめから観客に示されているわけですから。ザンジバルで生まれてペルシャ系のインド人の両親に育てられイギリスに亡命して苦労してきたという人生の様々なマイナスカードを背負いながらも、まるでオセロゲームのようにすべてひっくり返して成功した彼の人生を「終わりから眺める」ところに、この映画の格別の抒情があるように思いました。


 

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