かつてNHKのBSに「世界わが心の旅」という番組がありました。ずいぶん昔の番組ですが、YouTubeを見るといくつか発見できます。李香蘭(山口淑子)が上海で李香蘭になるきっかけを作った「龍馬ちゃん」に再会するのは、なかなか感動的でした。山口淑子さんは、戦争宣伝に加担したことを自己批判しながらも、真正面からかつて李香蘭であったことを語っていましたね。米原万里がプラハのロシア語学校の同級生に再会する話もよかった。かつての各国の共産党幹部の娘さんたちが、プラハでロシア語教育を受けていたんですね。その後日談がなかなかに意味深い。また宮崎駿がサン=テグジュペリの航空路 をたどってフランスからモロッコのキャップ・ジュビーまで飛行する話もすごかったですね。双発機に乗り込んで地上100メートルくらいを飛行するのはジブリ映画の定番ですが、ここに原イメージがあったのですね。また、つい先日亡くなったトランペッターの近藤等則がイスラエルのキブツを訪ねる話などなど、キブツというのは言葉でしかしらなかったけれど、こういうものだったのか。どれも画質は悪いが内容は素晴らしい。かつてはこんなにも深い番組が作られていたのだ。

(この「紅の豚」はモロッコまで双発機で飛行していく宮崎駿そのものですね)


Share →