福岡ユネスコ・アジア文化講演会におけるダニー・ユンさんの「香港におけるアヴァンギャルド文化とその未来」に参加しました。面白かったですね。2000年代のユンさんの実験的な演劇パフォーマンスを、次々と映像として提示されて、それが何を意図していたのか、詳しく解説されました。演劇的なパフォーマンスの動画を見ただけでは、おそらく分からなかったであろう制作意図が、くっきりと見えてきました。また、講演後の、四方田犬彦氏との対談では、80年代や90年代のユンさんの活動の話へとつながり、四方田氏からちょっと挑発的なコメントが披瀝されました。ユンさんが、晩年の寺山修司に会って「百年の孤独」というテーマに触発されたという話から、四方田氏がその頃、寺山修司の劇団のオーディションを受けて2度落とされたという話にとび、さらに、ユンさんがその話にコメントされて、興味深いやりとりでした。
最後は、中国本土と香港との関係は、じつは、日本国と福岡との関係に似ている、というような話にまで飛躍しました。四方田氏は、福岡こそ日本における難民受け入れの最前線であった、福岡と香港は似ている、というような多少エキセントリックな、面目躍如?のコメントが飛び出して、これも面白かったですね。


Share →