世界夢の本屋紀行 第2回 フランス篇では、パリの本屋などが紹介されていた。まずはパリの「シェイクスピア&Co」。ああ、ここは何度か行ったことがある。ヘミングウェイの「移動祝祭日」で重要な書店として出てくるし、ノートルダム寺院のすぐ近くにあってとてもツーリスティックなところだから。パリ観光した人なら、この書店と、近くのジャズ・バー「Le Caveau de la Huchette」(映画ララランドのロケ場所)には必ず行っていると思う。この書店の上には「タンブルウィード」という作家志望の居候アルバイトが何人か住んでいるらしい。イーサン・ホークもそうだっという。でも今回のメインは、むしろ最後のほうに出てくる小さな書店「クリュニー書店」だったのではないか。ソルボンヌ大学を訪問した時、ここにも行ったことがある。大学のすぐ目の前にある小さな本屋さんだ。今回のTVで初めて知ったのだが、この書店のコンセプトは「本の相続」だという。ソルボンヌ大学の先生などが亡くなった時、膨大な書籍が放出される。それを「購入」というより「相続」するのだという。購入でなく相続─微妙な言い方だが、なんだかじーんときた。そうなんだな、もう本は売り買いする段階ではなく、相続する段階に近づいているのかもしれないな。でも、フランスではトリュフォーの映画「華氏451度」のように本に対する愛着はとても深いものなのだろう。


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