From the monthly archives: "1月 2014"

RKB毎日放送・テレビ制作部長の神戸金史さんが研究室にいらっしゃいました。福岡にいる上州人を訪ねて・・・という企画かどうかは知りませんがお互いに九州で希少種であることは確かですね。
談論風発、とてつもなく面白いお話しがつぎつぎに繰り出されるのは、さすが新聞とテレビを渡り歩いてきた人だと感じ入りました。若い世代に起こっているとても心配な変化について、とうてい話し足りないご様子でしたから、今度はぜひゲスト・ティーチャーとして来て下さい。


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社会学者・橋爪大三郎さんの『なぜ戒名を自分でつけてもいいのか』(サンガ新書)を読みおえました。橋爪大三郎・大澤真幸共著の『ゆかいな仏教』(サンガ新書)の前作にあたりますが、『ゆかいな仏教』では論じられていなかった、仏教と葬儀との問題について真正面から切り込んだ快著ですね。キワモノではなくて、まっとうな仏教論、正直すぎるくらい真正直な論ですね。
みんな自分や近親者の死や葬儀のことは考えたくない、考えることじたいが「縁起でもない」。だからいざとなったらどうして良いかわからない。よく分からないままに、世間の常識的なことにしたがう。いろんな不満や不合理感がつきまとう。ますますお寺や仏教から遠ざかる。というのが大方のところかと思います。この本は、葬儀についての「おまかせ」の態度が、いかに戒名という歪んだものを生み出したか、それが仏教の本質といかにかけ離れたものになっているかを、あらためて問いかけ、考えさせてくれるものです。
ふりかえってそうだなぁ、考えないようにしてきたことが、だんだんリアルに身近に迫ってきたんだなぁ、でもひとりで決めるわけにもいかんしなぁ、などと考えこんでしまいますね。でも本書のように、死や葬儀や戒名やお墓の問題がきっかけとなって、自分の生き方を見直すことが必要になるんでしょうね。


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社会学者・大澤真幸さんの新著『思考術』(河出書房新社)を読み終えました。
一見すると「どうしたらより深く考えることができるか」が書いてあるように思われるでしょうが、むしろ「人はなぜ思考しないのか」をめぐる論考だと思います。これを読むと私をふくむ読者というものが、いかに考えないか、むしろ考えることを避けているか、ほうっておいたら人間はいかに考えない存在であるか、を説得的に論じています。そして「考えざるをえなくなる時はどういう時か」「そのように追いつめられた時、どうすべきか」が書かれているのです。
その意味で、これは「教育」がいっぱいつまった本ですね。思考するノウハウを書いてある本のようにも読めますが(じっさい書かれてもいますが)、本質は「われわれ人間がいかに考えない存在であるか」を示し、「考えるべき時、考えないといけない時が来たら、しっかり考えようよ」と呼びかける「教育」にあると思いました。
その意味で、学部生レベルでは、ちょっと難しいかもしれませんが(何しろ、学生は日々、就活やらアルバイトやらに追い回され、考える前に跳べ、と「現実」に急かされて生きていますから・・・)大学院生以上には、じつに豊富で学ぶべきところの多い本だと思います。


大澤真幸・思考術

いよいよ明日は4年生の卒論の締め切り日です。
昨日は、4年生のたまり場に他の先生方といっしょに激励に行きました。
みんな一生懸命やっていますね。


(写真は、昨年の「社会調査実習」の締めくくりの報告会あとの、関係者や西日本短大との合同の懇親会の模様です)


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平成26年 はかた夢松原の会「新春のつどい」のご案内

拝啓 歳末ご多忙の折、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。日頃は大変お世話になっております。

 9月には、川上弘文氏の著による、川口ミチコ名誉理事長の中国からの引き上げからの波乱に満ちた半生を記録した「女の一生」も出版され、また、国体道路の花いっぱい活動も国道沿いの歩道に花を植えることで花壇周辺の美化につながるなどの成果を上げました。海浜での植樹活動、水源地地域との交流や博多湾での[サザエさんの海]プロジェクトも充実し、新たな体制での夢松原の活動が本格的に動き出した一年となりました。

 新たな年を迎え、皆様とも親しく言葉を交わしながら、今後の活動などについて語り合いたいと思い、下記の要領で新春のつどいを開催いたします。年明け早々で何かとお忙しいとは存じますが、ご出席を賜りますよう、お願い申し上げます。

敬具

   平成25年12月吉日

特定非営利活動法人はかた夢松原の会

理事長 礒谷慶子

日 時  平成26年1月11日(土曜日)

      午後1時受付開始

      午後1時30分から午後3時30分まで

場 所  西日本新聞会館16階 福岡国際ホール 「志賀」

お 話  杉本正美先生(九州芸術工科大学名誉教授)

            「風景づくりのあした」

     神野健二先生(九州大学名誉教授)

            「サザエさんの海」について

会 費  3000円(お一人)

 恐縮ですが、ご出席のご都合を、1月6日までにお知らせいただきますようお願いいたします。(fax又はメールでお願いします。)

 特定非営利活動法人はかた夢松原の会

810-0041福岡市中央区大名1丁目2番15号 4-B

電 話 092-406-2369  Fax 092-406-2379

メール yumematu@heart.ocn.ne.jp


昨年の新年会です。

「はかた夢松原の会」新年会

陣内 福岡ユネスコ協会


福岡ユネスコ・研究講演会

「陣内秀信講演会」の開催

九州出身あるいは九州で活躍している研究者の日頃の専門的な研究内容を少しわかり易い形で講演してもらい、研究者と市民の接点を作るとともに研究者間のネットワークづくりを進めることを目的としたシリーズの第1回目。

イタリアを中心にイスラム圏を含む地中海世界の都市研究・調査を継続的に行い、欧州の魅力的な都市文化づくりを日本に紹介されるとともに、江戸・東京の水辺都市の空間構造を読み解く『東京の空間人類学』を出版されるなど、建築・都市研究の第一人者である陣内秀信氏による講演会を開催いたします。

海にも近く、川もあり、山も近いというコンパクトな街・福岡にとって、海や川との共生ができる水辺空間を形成していく上で参考になるお話しも含めて、都市の文脈の中での空間のあり方についてお話をしていただきます。ぜひご参加ください。

 

(1)期 日:2014年1月26日(日)13:30~15:30

(2)会 場:九州大学西新プラザ 大会議室

      (福岡市早良区西新2丁目16番、地下鉄「西新」駅下車、徒歩約10分)

(3)テーマ:「水辺空間の魅力―欧州、アジアの都市を比較して―」

(4)講 師:陣内秀信(じんない・ひでのぶ)氏(法政大学デザイン工学部教授、イタリア建築史・都市史)

    ※講師プロフィール

    1947年福岡県生まれ。東京大学大学院工学系研究科修了、工学博士

    イタリア政府給費留学生としてヴェネツィア建築大学に留学。

    主な著書に『東京の空間人類学』(ちくま学芸文庫、サントリー学芸賞受賞)『ヴェネツィア―水上の迷宮都市』(講談社現代新書)『イタリアの街角から』(弦書房)『水の都市 江戸・東京』(講談社)他

(5)料金  一般:事前申込 1000円(当日1200円)、

学生・留学生  500円(事前・当日とも)

(6)申込み方法

催し名(「陣内秀信講演会」)、氏名(参加者全員)、連絡先FAXまたはメールアドレス、一般/サポーター/学生の別を明記の上、メールかFAXで申し込んでください。

メールアドレス:fuunesco2014@gmail.com、FAX:092-733-1291

(7)連絡先

  一般財団法人 福岡ユネスコ協会

  〒810-0022 福岡市中央区薬院2丁目4-5-702

  Tel:092(715)8768  Fax:092(733)1291


今日の午前中は、科研費の研究メンバーとともに、福岡空港近くの特別養護老人ホームにうかがいました。若手の社会福祉法人・施設経営者の意識調査のためです。次世代の社会福祉法人経営者がどんな意識で、どのように老人ホームを運営されているのか、社会福祉法人や、これからの福祉施設のあり方についてどうお考えなのか、法人経営の将来ビジョンはどうなのか、うかがいました。
今年は、福岡県老人福祉施設協議会とともに、県内の施設長へのアンケート調査を計画しているのです。そのための取材でした。じつに興味深いお話しをたくさんうかがいました。おもしろかったですね。いろいろ考えさせられました。


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昨日から、授業が、はじまりました。
社会調査実習の授業で、報告書のまとめの作業。学生たちは、見たり、聞いたり、アンケートした結果を、ただ寄せ集めるだけの報告書目次構成案だったので、画竜点睛に欠ける、見たり聞いたりしたことの中から、心に残ったもの、もっと解明したいもの、何か問題解決に向けたストーリーというか、強く印象に残ったものを、さらに深めて行こうではないか、などとしゃべる。その中で「あまちゃん」のエピソードを例示したところ・・・なんと15人のうち見ていたのはたった一人だった・・・どうなっているのだ。これでは例示にならない。「あまちゃん」は国民的なヒロインではなかったのか? それとも中高年層の朝ドラ見られる人たちの間でだけ受けていたアイドルだったのか・・・?!


鈴鹿ひろみ

今日でお正月休みもおしまいですが、ひさしぶりに録りだめした番組をいろいろ見ることができました。今夜は「薬師丸ひろ子 35周年アニバーサリーコンサート」。いいなぁ。とくに大好きな「Wの悲劇」がとりにきた。ぞくぞくした。「あまちゃん」とともに薬師丸復活か。


薬師丸ひろ子2 薬師丸ひろ子

お正月もあっというまに終わりましたね。昨日はトレーニングジムが開いたので「プール泳ぎはじめ」、今日は図書館が開いたので「図書館はじめ」です。さて正月の、おとそ代わりのドイツのデザートワイン「トッケンベーレンアウスレーゼ」、とろっとしていて、とても甘い。家内は「まるで梅酒。こういうの大好き」と言ってぐいぐいいってる。でも、ちょっとおせちや食事にはあわないなぁ。


とろっけん

正月2

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お正月には、いろいろな特番があって楽しいですね。小さい特番ですが毎年楽しみにしているのが「大人のピタゴラスイッチ」。
子どもと一緒に見ながら、ほほう、とか、おおっ、とか、うわぁ、とか言いながら楽しめますね。
昨年の「大人のピタゴラスイッチ」は「ちょいむず」「かなりむず」という2番組でした。これは良かったですね。
今年は「デジむず」でした。NHKの子ども科学番組は、大人が見ても面白い。


ピタゴラスイッチ

大人のピタゴラスイッチ

録画しておいた「井上陽水 ドキュメント”氷の世界40年”~日本初ミリオンセラーアルバムの衝撃とその時代~」(NHK・BSプレミアム)を観た。これは1時間15分息もつかせぬ見ごたえあるものだった。私にとっても「氷の世界」は突出したレコード。日本の歌い手では断然、井上陽水と浅川マキだと思ってきたくらいだ(ちなみに海外では断然、ジョニ・ミッチェル)。このレコードがどのように作られ、ディレクターやアレンジャーとどのような葛藤があったか、歌詞がどのように不条理の世界をあらわしているか、どの曲がいちばん過激に狂っているか、曲順はどう決まったか、様々な関係者が次々に証言していくというスリリングな仕立て。極めつけは陽水と対峙してこのレコードを制作したプロデューサーの多賀栄典が、音声だけの出演で語るところ。死にものぐるいだった陽水の必死さ、そのはりつめた気持ちが、当時の歌声からもひしひしと伝わってきた。・・・ところでこの番組の陽水は、どうしたことだろう。なんだか太ったというより、明らかにむくんでいた。声にも精彩を欠いていたような気がする。ちょっと心配だ。


氷の世界40年

石原裕次郎と太宰治の恋文
正月に録りためていた番組をみていた。NHKの「美の壺」。テーマは「恋文」。まったく予想外なことに、石原裕次郎の恋文が大きく取り上げらた。あの裕次郎、まさか恋文など書くとは思ってもいなかったが、こんな恋文を書いていたのか! びっくりした、驚いた、打たれた。生身の人間の姿がそこには現れている。ついで太宰治の娘が出てきて、太宰治の恋文の原文が映し出された。これまた驚愕。これが恋文のツボか。うううむ。冒頭とエンドの草刈正男ちゃんの演技もいいぞ。やりとりの文面も冴えている。(写真は昨年秋に世田谷に行った時にまえを通った石原裕次郎邸)


石原邸

正月も3日目になると、家に閉じこもってごろごろしていることがつらくなりますね。
毎年思うのですが、年末年始こそ、来し方行く末をじっくり沈思黙考したい。昨年一年がどうだったのか、今年をどうしたら良いのか、しっかりと考えたい。こういう沈思黙考に、家庭は、かならずしもふさわしくない。さわがしい日常にあふれている。そこで、こういう年末年始こそ、周囲に知った人のいない図書館のようなところに籠もってじっくり考えたい。そこで、ふだん読めない、あるいは敬遠していたような大冊にとりくみたい・・・
たしかに、こういう修行気分がみなぎってくるのですね、年末年始には。
ところが、この年末年始、図書館もお役所だからでしょうか、図書館はどこも閉館しています。
いちばん行きたいときに、行けない。
さあて、どうしましょう。


正月1

正月2

元旦はジブリの「かぐや姫の物語」に行ってしまったので、きょう、初詣でにいきました。まずは近くの鳥飼神社。ここは大相撲九州場所の時に「九重部屋」がやってくるところです。もう水仙が咲き始めているんですね。


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新年、あけましておめでとうございます。
正月ですが1日なので、家内が「映画の日だから安いに違いない」とのことで、かねて念願だったジブリの「かぐや姫の物語」をみにいきました。福岡ドームに付随したホークスタウンなるところ、ものすごい人出。みんな初売り、福袋ねらいなのか。どこの店も10代や20代の女の子で行列だらけ。やれやれと思いつつ映画館へ。ここは閑散。「かぐや姫の物語」もがらがらでした。映画そのものは2時間半もある大力作。高畑監督がストーリーを考え抜いたらしいのですが、最後の月に召されていくシーンは、もうひとひねり、意味の広がりと深まりにむけてもうひと工夫あってほしかった気もしますね。ふうっ。疲れた。子どもたちは誘っても一人もついて来ませんでしたが、たしかに、これは、子ども向けの映画ではないですね。


かぐや姫の物語

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