昨日は、家内とふたりで映画「ローザ・ルクセンブルク」を観に行きました。 大評判の映画「ハンナ・アーレント」と同じ監督、同じ俳優の、うりふたつの映画、ダークでシリアスで深い映画です。革命家として社会全体を敵に回しても一歩も引かない強い女性という側面と、弱くやさしいしみじみとした女性という側面と、その両方を描くというところが共通していますね。でも「ローザ・ルクセンブルク」では、よりハードでタフでダークな側面のほうが強かっためか、途中で席を立つ人もいました。家内も、見終わったあと、ぐったりと疲れはててしまって、天神に買い物にいく元気を失ったといって早々に家に帰りました。
私はと言えば、バーダー・マインホフ事件などを描いたかつての「ニュージャーマン・シネマ」のような、もう、辟易するほど暗くて救いがないものと違って「ローザ・ルクセンブルク」と「ハンナ・アーレント」は、評判になる理由があるように思います。そこにはシリアスで暗いだけではない「何か」があるのです。たとえば両映画とも突出した主人公を描いているだけではありません。そこには主人公を支える見事で魅力的な女性たちが描き込まれています。危機や逆境に直面して、すぐにへこたれたり崩れ落ちていったりする男たちの中にまじって、がまん強くて曲がらない魅力的な女性の同僚や友人たちが印象的に描かれているところは、この映画の「救い」であり、この監督の美点でしょう。それが史実かどうかよりも、映画として成り立たせているものが、そこにあるということだと思います。時に狂気の閾にまで入り込む主人公たちよりも、魅力的な生き方を指し示しているようにも思いました。


roza4

Rosa-Luxemburg-007

ローザ・ルクセンブルク1

rosa 6

Share →